寄棟屋根を選ぶべきなのはどんな人?特徴やメリットを解説!
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カテゴリー:その他
屋根の形状はたくさんありますが、メリットやデメリットといった特徴を理解して、こだわりながら選ぶ人は少ないでしょう。
しかし屋根には形に合わせた向き不向きがはっきりと分かれている部位です。
そのため、ある程度理解して選んだほうが耐用年数など住宅の性能にも良い影響を与えます。
今回は、そんな屋根の中でも日本だけでなく世界でも人気が高い「寄棟屋根」について詳しく解説します。
寄棟屋根を選ぶべきなのはこんな人!
寄棟屋根は以下の人に最適です。その根拠を説明するにあたって、まずは寄棟屋根がどんな屋根なのかを紹介します。
寄棟屋根を選ぶべき人 |
● 落ち着いた雰囲気の家がすきな人 ● 屋根の耐久性を重視したい人 ● 土地の条件が限られている人 |
寄棟屋根とは?
寄棟屋根とは、屋根の最上部の棟から四方向に勾配屋根があるのが特徴です。日本の一般的な住宅でもよく採用されている屋根のひとつで、人気の高い屋根になっています。
「寄棟屋根」の読み方は
寄棟屋根は「よせむねやね」と読み、この種類の屋根をもつ建物は「寄棟造(よせむねづくり)」と呼びます。
日本だけでなく世界的に見られる一般的な住宅屋根のひとつで、人気の高い屋根形状です。
そのため英語では「hipped roof」と呼びます。
“hipped”は「隅棟のある」という意味で、「隅棟」とは隣接する屋根のつなぎ目が山折状になっている部分を指します。
寄棟屋根の構造
寄棟屋根の構造は最上部の棟から4方向に勾配があるのが特徴です。
地上に対して水平になる最上部の棟を「大棟」、四方に傾斜がある棟を「下り棟」と言い、4方向の下り棟が中央の大棟寄せられるような形をしていることから「寄棟」と言われるようになりました。
4方向全ての外壁を保護することができ、壁面積が少なくなることから初期費用も維持費用も安くなるため、機能面と費用のバランスが整った屋根といえるでしょう。
寄棟屋根のメリットとは?
「屋根」の第一の目的は住宅の保護であり、施主からすると保護機能性能の高さは、家の維持費など金銭面にも直結します。
寄棟屋根のメリットは、そんな屋根本来の目的が最大限発揮されています。
寄棟屋根のメリット |
● 風に強く頑丈 ● 家を守る力が強い ● 建物の向きに関係なく取り付けられる ● 和風・洋風どちらにも合う |
メリット1:風に強く頑丈
屋根の耐久性を決める要素は「雨仕舞」と「耐風性」です。
雨と風に強い屋根が耐久性が高い屋根と評価できますが、その中でも寄棟屋根は他の屋根と比べて耐風性が高いのがメリットです。
理由としては、屋根が4方向にあるため風を受ける面積が少ないからです。
風の抵抗力は受ける面積に少なからず比例するため、4方向で面積を小さくして抵抗力を分散している屋根形状はとても理にかなっています。
そのため、風の強い地域では特に性能を発揮できます。
メリット2:家を守る力が強い
外壁を守るためには屋根が必要です。厳密には「軒」が必要になるのですが、これは外壁を紫外線から守る役割があるからです。
紫外線は外壁の塗装を劣化させるため、軒がない屋根はどうしてもメンテナンス回数が増えてしまいます。
それに対して、寄棟屋根は四方に軒が伸びて屋根が全ての面の外壁を保護できるため紫外線から壁を守れます。
これにより、メンテナンス回数を減らせるのも特徴のひとつです。
メリット3:建物の向きに関係なく取りつけられる
住宅密集地において、家の向きに制限が掛かることは珍しくありません。
なぜなら、「土地の形状」「日照条件」「近隣条件」など外的要因が少なからず影響してくるからです。
このような場合でも、寄棟屋根の場合は苦労することはありません。どの方向から見ても同じ外観でバランスがとれていますし、斜線制限も問題なくクリアできます。
派手さはありませんが、落ち着いた雰囲気と重厚感があり、どこか大人な雰囲気をかもしだすこの屋根形状は、設計面や施工面でも非常に扱いやすいと言えます。
メリット4:和風・洋風どちらにも合う
屋根形状は家の雰囲気を左右します。人によっては和風や洋風など好みはさまざまですが、それに合わせて屋根形状を吟味しなければなりません。
機能面と形状が決定づける印象や雰囲気を考慮しなければならず面倒な側面もありますが、寄棟屋根の場合それがありません。
和風建築に合うイメージですが、現代の洋風建築でも使われています。屋根による家の雰囲気を気にしなくていいのは、嬉しいポイントでしょう。
寄棟屋根のデメリットとは?
人気の高い寄棟屋根ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。
特にメンテナンスなどのコストに関わる部分は、無視できない部分になるのでしっかり把握して対策をたてなければなりません。
寄棟屋根のデメリット |
● 設置・メンテナンスにコストがかかる ● 屋根裏スペースが狭くなりがち ● 太陽光パネルが設置しづらい ● 棟から雨漏りしやすい |
デメリット1:設置・メンテナンスにコストがかかる
屋根が4面あるため、片流れ屋根のような一面しかない屋根と比べて建築コストが高くなります。
これは形状が複雑なため、部材や施工費がシンプルな屋根形状に比べて必要になることが要因になっています。
耐久性が高い屋根であることは間違いないので、メンテナンスコストは削減できる傾向です。しかし初期費用は高くなるため、新築や中古リフォームなどの建築の際はしっかり資金計画をたてて費用を工面しておく必要があります。
デメリット2:屋根裏スペースが狭くなりがち
寄棟屋根は屋根裏スペースが広く確保できない形状になります。
屋根の四方が全て傾斜になる形状のため、これはどうしようもない部分です。屋根裏部屋を収納スペースや居住スペースとして活用したい場合は不利になりますので注意しておきましょう。
また、広いスペースが確保できないことから換気の側面も心配になります。
そのため、軒天部分に効率的な換気システムも導入しなければなりません。高さ制限がある土地などでは有利ですが、その分屋根裏の活用は不利になります。
デメリット3:太陽光パネルが設置しづらい
最近は自宅に太陽光パネルを設置する人が増えました。太陽光パネルは基本的にたくさん設置して、自家消費と売電の両立で電気代を節約していくシステムです。
寄棟屋根のような形状は屋根一面の面積が小さいため、太陽光パネルを設置する上で非常に不利になります。4方向向いているため、南面のパネルの発電効率は良いものの他の方角の発電効率は良くありません。
近年では、売電価格低下に伴い太陽光パネルの大きさは小さくても良くなってきていますが、しっかりとしたシミュレーションが必要です。
デメリット4:棟から雨漏りしやすい
寄棟屋根は耐久性が高いものの、雨漏りには比較的弱いです。なぜなら、切妻屋根や片流れ屋根に比べると接合部分が多いため、隙間が生じてしまうリスクが高くなってしまうからです。
特に屋根面の合わせ部分は注意が必要です。そもそも、別々の屋根材が合わさり隙間が生じる部分なので、ちょっとしたトラブルが雨漏りにつながるおそれがあります。
「かき合い」と呼ばれる大棟と隅棟が合わさるY字の部分は、非常にトラブルが発生しやすい箇所で、3枚の屋根材が合わさる最も複雑な接合部のため、雨漏りがよく発生します。
寄棟屋根で雨漏りが発生した際は、まずかき合いをチェックしてみるとよいでしょう。
寄棟屋根にリフォームする場合いくらかかる?
屋根形状変更する費用の相場は、「形状の変更の費用」「勾配の変更の費用」「急勾配の屋根にする費用」などがあります。
これらを総合して平均した費用が一般的な相場になります。
相場は200万円~600万円くらいで金額の幅はかなりあります。正確な費用はリフォーム会社に現場調査を依頼して見積もりを出してもらいましょう。
寄棟屋根の構造・特徴のまとめ
耐久性の高さや施工性の高さから、日本だけでなく海外でも人気の高い屋根形状となっています。
しかし、メンテナンスコストの高さや雨漏りがしやすいといったデメリットもあるので、そのあたりも踏まえて選択することが大切です。
屋根形状は新築やリフォームの打ち合わせでもほとんどすることがなく、基本的には業者にお任せになりがちな部分です。形に関して理解があると打ち合わせもスムーズに進みます。
中には悪徳な業者もいるので、心配な場合はぜひ一度アップリメイクへお問い合わせください。専門の知識を持った担当がアドバイスさせていただきます。
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