漏水(水漏れ)とは?発生した時の見つけ方や対処方法を解説!
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漏水を見つけると「水道代がかかるかも」「階下に迷惑がかかるかも」と、何かと焦ってしまいがちです。しかし、やるべきことは止水と応急処置の2つです。
この記事では、これらの具体的な方法に加えて、雨漏りとの違いや漏水の原因、応急処置の方法などについて解説していきます。また漏水箇所がわかならい場合の調査・発見の方法についてもあわせて紹介します。
漏水(水漏れ)とは?雨漏りとの違いを解説
よく混同されがちな漏水と雨漏りは、本来別の現象です。大きく違うのは発生する箇所で、漏水は給排水設備から、雨漏りは屋根や壁から起こります。また漏れる水も漏水は上下水、雨漏りは雨水という違いがあります。
漏水は水道管から水が漏れ出ている現象
蛇口や水道管(給水管)、排水管、キッチン・バスルームなど水回りから、水が漏れている状態を漏水と呼びます。考えられる原因は破損や老朽化、詰まり、施工ミス、大きな力が加わる、などがあります。
蛇口など目に見える箇所からの水漏れならすぐに気づくことができますが、目に見えない箇所からの漏水は知らないうちに症状が進行する可能性があります。水道代の上昇や異臭などの異変に早く気づかないと、家の骨組みの腐敗やシロアリの発生など、大きなトラブルにつながってしまいます。
天井や壁内に配管が通っている場合、漏水は天井や壁、床の濡れやシミ、水たまりなどで現れます。これら雨漏りと似た症状を引き起こすのも、両者が混同されやすい原因でしょう。
雨漏りは外壁の劣化で発生
屋根や外壁、サッシなどから、雨水が屋内に侵入してくることが雨漏りです。原因としては破損や劣化、施工ミスなどが考えられます。
雨漏りの症状は、天井から雨水がポタポタ垂れてくるだけではありません。天井や壁の水シミ、カビ臭さ、サッシ周りの水濡れなども、雨漏りが原因かもしれません。早く手を打たなければ漏水と同じように、大きなトラブルにつながってしまうでしょう。
雨漏りを解決するには、まず原因となっている箇所の調査と特定が必要です。そして修理を行うのに、老朽化が進んでいる場合は大きなコストを覚悟しなくてはなりません。
しかし専用の塗料で防水すれば、コストを抑えられるでしょう。雨漏りは大規模な修理以外でも解決できます。
漏水が発生する3つの原因
防水を担っている箇所や給・排水を行う箇所が劣化したり、破損したりすると、漏水が発生します。劣化の原因は主に時間の経過、破損の原因は主に自然災害です。まとめると、以下の3つになるでしょう。
- パッキンの破損や劣化
- 排水管の老朽化
- 地震や台風による破損
パッキンの破損や劣化
パッキンなど水漏れを防いでいる箇所が劣化や破損を起こすと、漏水が発生します。
たとえば蛇口なら、コマと呼ばれるパーツがハンドルと連動して水流を調節していますが、給水管を開閉するのは、コマ先端にあるゴム製のパッキンです。これが長年の使用ですり減ったり劣化したりすると、完全に給水管を閉じることができなくなり、ポタポタと水漏れを起こします。
また配管のつなぎ目の水漏れを防ぐために使われているのもパッキンです。大半は樹脂でできていますが、これらも劣化してひび割れが起こると水漏れします。
パッキンの劣化が進行すると破損してしまい、水漏れは激しくなるでしょう。ポタポタとした漏水の段階で手を打たなければなりません。
排水管の老朽化
パッキンと同様に老朽化するのが、給水管や排水管です。
給水管には高い水圧がかかっているため、劣化が進むと水が勢いよく吹き出すようになります。排水管は水が吹き出すことこそありませんが、周りが水浸しになったり、いやな臭いが広がったりします。
注意しなければならないのは、給水管や排水管が人の目に触れないところにあることです。多くの場合は漏水を起こしてもなかなか気づけず、大きな被害を引き起こします。
戸建住宅なら家の骨組みの腐敗、シロアリの発生、マンションなら自室だけでなく、他の部屋への漏水被害をもたらします。
たとえばキッチンのシンクや洗面所のボウルの下は、収納スペースだけでなく給水管や排水管も通っているため、漏水が起きやすい場所でもあります。
地震や台風による破損
地震や台風などで給水管や排水管に大きな力が加わることも、破損・漏水の原因になります。特に注意したいのは施工されてから時間がたっているケースで、配管が老朽化することで、つなぎ目が破損しやすくなります。
ひどい地震や台風の後は、下にある「漏水によって引き起こされる症状」を参考に、チェックしておきましょう。早期発見・修理を行わなければ、想像以上の大きな被害を引き起こします。
また劣化や老朽化以外で起こり得るのは、施工が不十分だった場合の漏水です。パッキンが仕様と違う、入っていないなどが原因のトラブルは、建物が新築のときこそ起きやすいものです。水を使っている以上、漏水はつきものと考えておきましょう。
漏水が発生しやすい場所はどこ?
給水管や排水管が通っているなら、どこでも漏水は起こり得るものですが、特に発生しやすいのは、それらが集中している場所です。たとえばトイレやキッチンなどは、水漏れがないか意識しておくことが必要です。
トイレ・トイレタンク
ナットが使われている配管の結合部や温水洗浄便座、トイレタンクは漏水が起こりやすい場所です。結合部や便座の裏、床がぬれていないか、水洗後もチョロチョロという水の音が止まらないことがないかを意識してみましょう。
これらはパッキンの劣化やボールタップが正常に作動しないことが、原因と考えられます。ボールタップとはトイレタンク内にあり、一定の水位で水流を止めるためのものです。ボールタップの働きが悪いと、いつまでも水が止まらない場合があります。
キッチン・浴室・洗面台の水栓
水栓を固く閉めても蛇口の先端から水が止まらないなら、先述の通りコマ先端部パッキンの劣化が原因です。水栓の根本にも、給水管と接続するためにパッキンが使われており、こちらも漏水が起きやすい箇所です。
またキッチンのシンク下や洗面所のボウル下には、排水管だけでなく給水・給湯ホース(フレキシブルホース)が通っています。フレキシブルホースは自由に曲がるとはいえ、ムリに曲げると劣化が早まります。キャビネットの使用時には注意しましょう。
洗濯機周辺
洗濯機につながれている給水用、排水用のホースは、それぞれ漏水を起こしやすいポイントです。蛇口と給水用ホースの接手(ニップル)のまわりが濡れていないか、洗濯機の下に水たまりができていないかをチェックしましょう。
ニップルのまわりが濡れているなら、蛇口に合っていないことやゆるみ、パッキンの劣化が考えられますし、水たまりができているならホースの破損・劣化や、排水口にしっかり入っていない可能性があります。
屋外の水道設備
一戸建てで注意したいのが、散水栓など屋外の水道設備です。屋内とは違い目が届きにくい場所にあり、なかなか漏水に気づきにくいでしょう。散水栓のふたを開けるとまわりの土が湿っている、水栓柱の水受けが濡れているなら、漏水が起きているかもしれません。
あわせて注意したいのが、散水栓につながれているホースやシャワーヘッドの不良です。それぞれ劣化しやすい素材でできていることを忘れず、使った後は散水栓をきちんと閉めましょう。
漏水によって引き起こされる症状
はっきり漏水とわかるなら手の打ちようもありますが、やっかいなのは漏水に気づかないケースです。主な症状は以下の3つになりますから、これらを意識することで、状態の悪化を未然に防ぐことができるでしょう。
- 水道代が急激に上がった
- 蛇口から水が漏れている
- 水が汚れている・異臭がする
水道代が急激に上がった
水道代の請求が普段の倍くらい来た場合に心当たりがないのであれば、漏水が起こっている可能性があります。水栓を全て閉めているのに水道メーターに動きがあるなら、漏水が起こっているサインです。
漏水が起きていないのに料金が急激に上がったなら、考えられるのは盗水です。誰かが屋外の水道設備から、無断で水を使っているかもしれません。最寄りの水道局に相談し、ハンドルを外して素手では水栓を開けられなくするといった対策をしましょう。
蛇口から水が漏れている
蛇口や周辺からの漏水は、比較的発見しやすい箇所です。水栓を閉めてもポタポタと水が垂れ続けたり、結合部のナットまわりが濡れていたりすることで気づけます。キッチンのシンク下や洗面所のボウル下はわかりにくいですが、フレキシブルホースや収納スペースの床が、濡れていないかなどをチェックしましょう。
シンクや洗面所、バスルームなど普段から濡れている箇所は、漏水に気づきにくいかもしれません。水垢防止のためにも、水分をふき取る習慣を付けましょう。
水が汚れている・異臭がする
蛇口から流れる水が変色している、味や臭いが気になるなら、水道管の劣化の可能性があります。現在起こっていなくても、漏水が近いうちに発生する可能性があるため、早めに手を打つことをおすすめします。
また同じ異臭でも、下水のような臭いがするなら、排水管が漏水を起こしているかもしれません。排水管の漏水は、箇所を見つけるのが難しいものです。家の骨組みの腐敗や他の部屋への漏水など、深刻な被害に発展しないよう、こちらも早めの対処が必要です。
漏水が発生した際の対処法
漏水が発生した場合は、漏水箇所の発見と応急処置を行いましょう。ここでは漏水の発生の確かめ方や、漏水箇所を発見できない場合の調査の仕方、業者を呼んだ場合のメリットについて解説します。
漏水場所が分からない時の見つけ方
漏水が起きているかどうかのチェックは水道メーターで行いますが、注目するのは「パイロット」です。
パイロットとはメーターに付いている小さな羽のことで、ほとんどは目盛りがいていません。水栓がすべてしまっているのに、パイロットに動きがあれば、漏水が発生している証拠になります。
漏水箇所が目で見つけられないなら、耳で調査します。天井や床、壁の中から水がしたたる音や流れるような音がするなら、そこが漏水箇所である可能性は大きいでしょう。
またドライバーの先端を蛇口、ハンドルを耳に当てて音を聞いてみてください。振動音が聞こえるようなら、コマ先端のゴム製パッキンの劣化が考えられます。
漏水を発見したらまずは応急処置を行う
漏水箇所を見つけたら、まずは止水栓を閉めて漏水を止めます。止水栓とは、蛇口や給水管などにある一文字のくぼみのことです。マイナスドライバーを差し込んで時計回りにひねることで、水流を止められます。
次に防水テープを漏水箇所に巻くなどして、応急処置を行います。被害が広がらないようバケツを置くのもよいでしょう。
漏水箇所がわからない場合や、壁の中など応急処置もできないような箇所での漏水が疑われるなら、水道メーターのそばにある元栓を閉めましょう。これで漏水は止められますが、同時に一切の水道が使えなくなるため、そのままにしておくことはできません。
業者に漏水修理を依頼する
応急処置は文字通り一時しのぎでしかありません。元栓を閉めた状態で生活できないためです。また、排水で起きている漏水は応急処置も難しいでしょう。
日曜大工に通じた方がDIYで修理を行った以外は、なるべく早く業者に連絡することをおすすめします。
プロならば壁の中など目で見つけられない漏水箇所なら、専用の機械を用いて探しますし、排水の漏水なら管内カメラを用いて、原因箇所を特定してくれます。また、破損や劣化状況がひどくて応急処置もままならないケースでも、問題なく修理できます。
業者が行う修理は、基本的にパーツ交換です。パッキンはもちろん水道管、排水管まで、早ければその場で交換してくれるでしょう。
まとめ
目に見える箇所で上水の漏水を見つけたなら、行うことはまず止水です。漏水箇所の近くにある止水栓を使うか、できなければ元栓を閉めてしまいましょう。これで漏水が大惨事に発展する可能性はなくなります。
また水道代の請求で漏水に気が付いたら、行うことは漏水箇所の発見です。耳を頼りに探していけば、恐らくたどり着くことができるでしょう。
防水テープで応急処置を行うことは多くなりますが、やっかいなのは漏水箇所が見つからないケースや、応急処置もできそうにないケース、見つけにくい箇所で起こりやすい下水の漏水です。必要ならばメーターのそばにある元栓を閉めて、いち早く専門の業者に連絡しましょう。
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