塗装で雨漏りは直らない!塗装が逆効果になり雨漏りするケースも
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カテゴリー:雨漏り
雨漏りを塗装で直せると聞き、興味を持った人も多いのではないでしょうか。
しかし、雨漏りを直すために塗装を行うのは間違いです。むしろ塗装作業が雨漏りを悪化させてしまう場合もあります。
一般的に塗装で直した雨漏りは数ヶ月〜2年程度で再発してしまいます。そのため雨漏りを根本から解決したとは言えません。
この記事では、「なぜ塗装で雨漏りが直らないのか」「塗装で雨漏りを防ぐ方法はあるのか」について解説します。
塗装で雨漏りが直らない理由
雨漏りを直すには塗装工事が効果的、という噂もありますが、ほとんどのケースで雨漏りを防ぐことはできません。一時的に効果があったとしても、塗装で直した雨漏りは数ヶ月〜2年程度で再発してしまいます。
ここからは「屋根からの雨漏り」と「外壁からの雨漏り」の2パターンに分けて、塗装では雨漏りが直らない理由を説明していきます。
屋根からの雨漏りの場合
屋根から雨漏りしている場合、塗装工事による修理は基本的に不可能です。その理由は、屋根の防水構造にあります。
一般的な屋根材には隙間が空いており、雨水を直接排水しているのではなく、その下にある防水シートを伝って水が流れています。雨漏りが発生するのは、何らかの衝撃により防水シートが破損してしまい、そこから水が流れ出てしまうからです。
水を弾いているのは屋根ではなく防水シートであるため、屋根を塗装したところで雨漏りを防止することはできません。
屋根塗装の役割は「屋根材の保護」「美観の維持」「遮熱効果の不可」の3つで、瓦や屋根材の表面に塗られているだけです。防水シートとは違い、雨漏りには直接関係がないことから、屋根塗装は雨漏りに対して効果を発揮することはありません。
外壁からの雨漏りの場合
外壁からの雨漏りには、さまざまな要因が考えられます。外壁のひび割れや変形、サッシの変形、シーリングや水切り金具など建材や部品の劣化、バルコニーの排水不良、ひび割れ、といった塗装だけでは簡単に直せないケースがほとんどです。
外壁から雨水が侵入している場合、建物に使用されている建材そのものが劣化していると考えられます。そのため、塗装工事で表面をきれいにしたところで、根本の解決にはつながりません。これが外壁塗装は雨漏り防止に効果がないと言われる理由です。
元々、外壁塗装は外壁を紫外線や雨水から保護し、劣化を防ぐためのものです。雨漏りを直すために行うものではない、ということを覚えておきましょう。
基本的には塗装工事で雨漏りは直せない、と説明しましたが、一部例外もあります。
たとえば、施工時の塗装ミスや技術力不足による雨漏りです。このような場合は、塗料の量が少ない、または塗ムラがあることでひび割れが起こり、そこから雨水が侵入していると考えられます。こういった雨漏りであれば、塗り替え塗装を行うことで雨漏りを直すことが可能です。
また、鉄骨・鉄筋コンクリート造の建物であれば、塗り替え塗装によって雨漏りを直せる場合もあります。このような建物の多くは一次防水だけの構造になっているため、塗装することで雨漏り予防の修理が可能となります。しかし、防水層に雨水が侵入している場合には、塗装作業以外の修理が必要になることもあります。
塗装が逆効果になるケース
塗装では雨漏りを直せない、というだけでなく逆に雨漏りを発生させてしまう場合もあります。塗装することにより、防水シートや屋根材にダメージを与えてしまうことがあるからです。
ここからは「外壁塗装後」と「屋根塗装後」に雨漏りが起こってしまうケースをそれぞれ解説します。
外装塗装後に雨漏りするケース
外壁塗装やコーキングの後に雨漏りする場合があります。その原因は、塗装工事で使う固定釘によって防水シートが穴だらけの状態になってしまうからです。
防水シートに穴が開くと、そこから壁内に雨水が入り込み、外壁材と防水シートの間に「水の通り道」ができます。雨水がその通り道を伝わり、貫通穴から内側に侵入してくることで、雨漏りが発生します。
通常、外壁塗装前には雨水が外壁の外に逃げる道を確保できているものです。しかし外壁塗装後には、外壁面が塗料でしっかりと覆われてしまうため、表面から浸水した雨水が外へ逃げることができなくなります。つまり、外壁塗装によって水分の水はけが悪くなり、雨漏りを発生しやすい状態になってしまいます。
外壁塗装による雨漏りの補修は一時的なものに過ぎません。むしろ塗装作業によって雨漏りを引き起こしてしまう原因となるので、よく覚えておきましょう。
屋根塗装後に雨漏りするケース
屋根塗装をした後に雨漏りするのは、瓦やスレートの排水路を塗料で塞いでしまっていることが原因です。誤った方法で屋根塗装を行うと、瓦やスレートの下に入った雨水が排水されず、屋根材の下に漏れている状態となります。
本来であれば、屋根の上下で重なり合っている部分に、あえて隙間を空けて塗装しなければなりません。この隙間が雨水の逃げ道となり、瓦やスレートに入った水が屋根の下に排水される仕組みです。しかし誤った方法で塗装し、隙間が塞がれてしまうと、水は内側に流れていくしかなくなり、たまった水分が家の中に侵入してきます。
屋根塗装後に雨漏りしてしまうのは、塗装業者の施工ミスだと考えられます。このような場合は、隙間部分に塗られた塗料を切り取る「縁切り」という作業で修理可能です。ただし、すでに雨漏りで建材が腐食している場合には、そのほかの修理が必要となることもあります。
雨漏り対策になる?防水塗料による塗装
塗装工事では雨漏り修理できませんが、防水塗料を使用すれば雨漏り対策は可能です。最近では防水効果のある塗料がたくさん販売されているので、うまく活用してみるのも良いでしょう。
ここでは、防水塗料が雨漏りに効果的な理由と注意点について解説します。
防水塗料が防水効果を有する理由
防水効果がある塗料として「弾性塗料」が挙げられます。弾性塗料とは、ゴムのような弾力性と塗膜の柔らかさを備えた塗料です。この特徴をうまく活用することで、優れた防水効果を期待できます。
一般的な塗料は日々の小さな振動が蓄積されることによってひび割れが起こってしまいます。しかし、弾性塗料はそのような衝撃を最小限に抑えられるため、ひび割れしにくいのが特徴です。雨漏りの多くは、ひび割れから雨水が侵入することで発生してしまいますが、弾性塗料を使うことによってそのリスクを回避できます。
また、他の塗料と比較して2~6倍ほど伸縮性に優れているため、塗膜が伸びてひび割れ部分をカバーする効果があるのも特徴です。表面を覆うことよって水の侵入経路が塞がれ、雨漏りを防げます。
防水塗料は向き不向きがある点に注意
弾性塗料を使用する部材には、効果を発揮できるものとできないものがあります。
弾性塗料に最適な部材は「モルタル」です。モルタルとはセメント・砂・水を混ぜて作られた建材で、ひび割れしやすいのが特徴です。しかしこの2つを組み合わせることによって、弾性塗料の性質がうまく生かされ、ひび割れの発生を抑えることができます。そのため、モルタルには弾性塗料を使うのがおすすめです。
一方、「サイディング」には不向きと言われています。サイディングとは80%がセメント、20%が繊維質で構成された外壁材で、蓄熱性が高いのが特徴です。この蓄熱性の影響により夏場には水蒸気が発生し、その水分で塗膜が剝がれやすくなってしまいます。塗料が剥げてしまっては防水効果も機能しないため、サイディングには弾性塗料の使用は控えましょう。
塗装で雨漏りは防げないことを認識しよう
今回の記事では、塗装工事によって雨漏りを直すことはできないことを解説しました。基本的に雨漏りの原因と塗装は直接的に関係がないため、塗装工事で修理しようとしても意味がありません。
場合によっては塗装が逆効果となり、雨漏りを発生させてしまうケースもあります。一部、防水効果のある塗料もありますが、耐久性はそれほど期待できません。
雨漏りを直すためには、外壁塗装や屋根塗装ではなく修理が必要です。修理内容について詳しく知りたい方は、下記リンク先にある記事も合わせて確認してみてください。
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