外壁塗装が剥がれる原因と補修方法を解説!簡単にDIYできる応急処置も紹介
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カテゴリー:外壁塗装の劣化現象
塗装の剥がれや下地からの浮きは、放置しておくとどんどん進行していきます。見た目が悪いだけでなく、外壁を十分に保護できなくなることから、家やマンションの劣化も早めてしまうでしょう。
早急な対応が必要になりますが、その際には前回の塗装からの経過年数を考えて、劣化の原因を推測しなければなりません。理由は業者選びなど、その後の対応に大きな差が出るからです。
ここでは外壁の再塗装費用や、DIYでの補修方法について解説をします。
外壁塗装の剥がれる原因
外壁塗装の剥がれや浮きの原因は、「経年劣化」「施工不良」の2つに大別できます。施工不良はさらに4つのパターンに分けられますが、責任のほとんどが外壁塗装業者にあるといえるでしょう。通常ならば無料で補修してもらえる可能性は高いです。
経年劣化による剥がれ
外壁塗装を行ってから10年以上経過しているのであれば、使われている塗料の耐用年数を過ぎたことが剥がれた原因です。
塗装の役割の一つは外壁材を塗膜でおおい、雨や風など自然環境から守ることです。これにより下地がダメージを受けることはありませんが、塗膜は自然環境にさらされっぱなしになります。耐用年数を過ぎるころには、剥がれや浮きなどの経年劣化を起こしてしまうでしょう。
海沿いにお住まいなら、塗膜の大敵は塩分です。潮風によるダメージも剥がれとなってあらわれ、強風による飛来物も剥がれを引き起こす原因になります。
経年劣化による外壁塗装の剥がれが見られたら、再塗装によるメンテナンスのサインです。外壁材の下地までダメージがおよぶ前に早めに手を打ちましょう。
施工不良による剥がれ
外壁塗装を行ってから数年しかたっていないなら、剥がれの原因は施工不良かもしれません。施工を行った業者に連絡し、剥がれや浮きが起きていることを説明し、どのように対処してくれるのかを問い合わせましょう。
洗浄・下地処理が不十分
外壁塗装の持ちを大きく左右するのは、塗装前に下地に行う洗浄・処理です。
水を外壁に吹き付ける「高圧洗浄」や、古い塗料や落ち切らない汚れを電動工具や手作業で落とす「ケレン」、塗料の定着を良くするために行う「足付け」などの作業が不十分だと、塗料の耐用年数を待たずに剥がれや浮きなど劣化が起こってしまいます。
洗浄・下地処理の怖いところは、不十分でも何ら問題なく仕上がってしまうところです。悪質な業者は工期を短くして人件費を浮かすために、適当な洗浄・下地処理で終わらせて、一見すると美しい外壁塗装を仕上げてしまいます。
しかし適当な洗浄・下地処理では、長持ちする外壁塗装はできません。耐用年数より短い期間で、不具合が発生してしまうでしょう。
洗浄後の乾燥不足
外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りと、3回塗装工程を重ねるのが基本です。丁寧な仕事を行う業者は、それぞれに十分な乾燥時間をあたえます。
十分な乾燥時間といっても、職人さんの長年の勘や経験に頼っているわけではありません。塗装業者がしたがっているのは、塗料メーカーのカタログや仕様書にある塗装間隔時間、つまり重ね塗りを行う場合の乾燥に必要な時間です。
塗装間隔時間を守らなければ、しっかりとした下地ができません。そうなれば塗膜が上手く形成されないでしょう。密着性も耐久性も低いものとなり、耐用年数よりずっと短い時間で、剥がれや浮きなど劣化が起きてしまいます。
雨など湿度が高い日や冬など気温の低い日は、より長い塗装間隔時間が必要です。
下地に合った塗料が選定されていない
外壁材の下塗りにはフィラーやシーラーなどと呼ばれる「下塗り剤」を用います。役割は下地となる外壁材の表面を整えることと、中塗りする塗料の定着を良くすることです。
しかしフィラーやシーラーは、1種類ではありません。モルタルや窯業系サイディングなど下地の材質にあわせて正しく選択しなければなりません。下地の状態によってはシーラーを厚く塗るなど、使い分ける必要があります。
下塗り剤の選択や使い方を間違えてしまうと、中塗り・上塗りする塗料の定着が悪くなってしまいます。そうなると十分な耐用年数を待たずして剥がれや浮きが起こってしまうでしょう。
下塗り剤によるミスは、業者の経験・知識不足から起こります。実績が豊富な業者に依頼したほうが、安心できるでしょう。
正しい希釈や塗装方法で塗られていない
プロ用の塗料は乾燥に必要な時間だけでなく、塗装に使う量、用いる道具、塗装回数などが細かく定められています。これらを守らなければ、耐用年数を十分に満たす外壁塗装はできません。
あわせて現場の気温や湿度などによる微調整も必要です。塗料メーカーのカタログや仕様書に従うことと、手掛ける職人さんの経験・知識によって、耐久性の高い外壁塗装が完成します。
塗料ごとに定められているルールを守らず、経験も不足している業者が行った外壁塗装は、早い時期に劣化してしまい、剥がれや浮きが起こります。塗料の費用を浮かすために水などの希釈材を多く加えることは、悪質な業者の代表的な手口です。
外壁塗装の剥がれは早めに補修しましょう
塗装の剥がれはそのままにしておくと進行し、下地を守ることができなくなります。塗装の劣化は家やマンションの劣化に直結するため、早急な対応が必要になります。
外壁塗装の剥がれを見つけたら判断すべきは、原因が「経年劣化」「施工不良」のどちらにあるかです。判断の基準は耐用年数に達しているか否か、塗装業者が発行した保証書などを確認しましょう。
耐用年数を満たさずに剥がれが起こったなら原因は施工不良です。通常の業者なら無料で補修を行うはずですが、補修を拒否された場合は消費者センターに相談するなどの手を打ちましょう。
耐用年数を満たしているなら、原因は経年劣化です。外壁塗装業者に依頼するのが安心ですが、応急処置なら DIYも良いかもしれません。
外壁塗装が剥がれた際の補修方法
「専門業者に依頼する」「DIYでその場をしのぐ」の2通りあるのが、外壁塗装に剥がれや浮きが見つかった場合の対処です。DIYでは十分な強度を持った塗装ができません。応急処置にしかなりませんから、近いうちにプロに依頼することになります。
業者にお願いする場合
依頼する業者が決まっていないなら、業者選びは慎重に行いましょう。主なチェックポイントは見積もりが適正価格か、実績は豊富か、保証書を発行しているかの3点です。地元の業者を中心に複数を選んで相見積もりを取り、業者を選定しましょう。
補修手順<
見積もりでは、安すぎる業者には注意が必要です。理由は安すぎる場合は手抜き工事の恐れがあるからです。数年で劣化するような外壁塗装を行うかもしれません。
補修は「足場の設置」「洗浄・下地処理」「3度塗りによる塗装」の手順で行いますが、剥がれの補修で特に念入りにすべきなのは洗浄・下地処理の工程です。劣化した塗膜を完全に除去し、下地を整えてやらなければ、十分な耐用年数を持つ塗装は行なません。
剥がれ箇所だけの補修ならコストを抑えられますが、劣化はすでに全体におよんでいる可能性は高いでしょう。その場合は外壁全体の再塗装をおすすめします。
業者に補修をお願いする場合の費用と工事期間
プロによる補修の費用は、塗装する面積や下地の材質、用いる塗料、付帯工事の要・不要で大きく変わります。下の表は30坪の家の外壁を塗装した場合の参考費用ですが、同じ建坪の家でも塗装面積は様々ということもあり、費用の幅が大きくなっています。
「クラック処理」とは下地のひび割れを補修することです。「コーキング処理」とはサイディングの目地を施工し直すことで、外壁塗装の際に同時に行うべき補修です。補修箇所・面積によって、費用は大きく変わります。
工事期間は全体的な塗装なら7~12日、部分的な補修なら半日~2日が目安となりますが、工期は施工する面積や、塗装時の気温・湿度に左右されます。
補修部分が2階にあるなど、高所作業が含まれるなら、以下の料金に足場代が加わります。
修繕内容 |
費用 |
クラック処理 |
約1万~5万円(+足場代) |
コーキング処理 |
約5万~50万円 |
モルタル外壁の全体塗装 |
約40万~80万円 |
サイディング外壁の全体塗装 |
約60万~100万円 |
DIYで応急処置をする場合
プロと同じ塗料を購入し、同様の手順を踏めるならDIYでの塗装は可能です。とはいえ、どうしても見様見真似になってしまいますから、応急処置にしかなりません。
どんどん進行していくのが外壁の剥がれや浮きです。手が届かないところに剥がれが見つかるなど、DIYでは対応しきれないと判断したならば、いち早くプロに依頼し直すのがよいでしょう。
モルタル外壁の補修方法
外壁塗装に付き物なのが下地の補修です。下地の劣化をそのままに塗装を行ってしまうと、外壁を十分に保護できなくなってしまいます。
DIYでも対応できそうなのはモルタルにできたわずかなひび割れ、幅0.3mm以下でヘアークラックと呼ばれるものの補修です。セメント粉をスティック状やスプレー状にした補修材を用いましょう。
補修したい箇所をセメントが馴染みやすいように水で濡らしたら、スティックは壁面に直角にすり込むように使います。スプレーなら周りに飛び散らないよう養生し、全体に吹き付けていきましょう。
スティックは10〜30分後、はみ出た箇所をブラシで落とします。スプレーは施工後、霧吹きで水を施工箇所に吹きかけ馴染ませます。
シーリング材の補修方法
サイディングならDIYで補修できるのは、目地に施工されているシーリング材の補修です。0.3mm程度のわずかなひび割れならシーリングを再施工することで、上から塗装を施すことができるようになります。
シーリングにそって養生テープを貼りサイディングを保護したら、まず再施工するシーリング材が馴染みやすいよう、筆でプライマーを塗ります。次にコーキングガンを用いてシーリング剤を充填、乾燥する前にヘラを用いて表面をならして、養生テープを剥がしたら完了です。
コーキング剤の充填が完了しても、すぐに塗装作業に入ってはいけません。十分に乾燥させなければいけないため、1〜2日の間をおいてから塗装を行いましょう。
外壁塗装の剥がれは放置せずに正しく補修しよう
塗装が浮き上がりパリパリとした剥がれを見つけたら、放置することはやめましょう。浮きや剥がれはどんどん進行するため、早急な補修が必要です。
業者に依頼する前に行うのは、前回の塗装からどれくらいたったかの確認です。保証期間中なら施工不良が原因と考えられるため、施工業者に連絡し対応してもらいましょう。
剥がれの原因が経年なら、おすすめはプロによる全体の再塗装です。DIYでの塗装も可能ですが、応急処置にしかならないことはおぼえておきましょう。
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