外壁塗装業者の見積もりはどう見たらいい?悪徳業者に騙されない知識を得よう!
屋根や外壁の塗装を頼むなら、信頼できる業者に頼りたいものです。方法としては複数の業者に見積もりを依頼し、書類に書かれている費用総額や内容もあわせて吟味することです。
そこで今回は、外壁塗装の見積書に関して解説していきます。
相場より高い・安いだけでなく、用いる塗料の質など具体的な塗装工事の内容から、業者の体質までわかるのが見積もりです。書かれている内容を理解することで、悪徳業者を見分けることもできるでしょう。
外壁塗装の見積もりをとる流れ
「現地調査」「相談」「仮見積もり」「打ち合わせ」と進むのが、一般的な見積もりの流れです。外壁や屋根の状態・面積を実際にチェックして、お客さんの要望を聞きながら、見積もりは作られていきます。
1:現地調査
外壁・屋根の劣化具合や塗装する正確な面積がわからなければ、見積もりを出すことはできません。
現地調査では塗装箇所を目視しながら、メジャーやレーザー測定器で塗装面積を計測していきます。かかる時間は30分から1時間程度でしょう。
現地調査後に劣化具合や塗装範囲、使用する塗料についての説明や相談があり、後日、見積もりが提出されることになります。
見積もりは金額や仕事ぶりを比較するために、複数の業者に声をかけるのがベストです。現地調査にかける時間が短かったり、行わなかったりする業者には注意しましょう。後から追加工事が発生して、見積もりより高い金額を請求されるかもしれません。
丁寧な仕事をする塗装業者は、現地調査も丁寧です。仕事ぶりもチェックしておき、業者選びの材料にしましょう。
2:業者と相談
主に見積もりに必要になるのは、塗装する箇所の面積と用いる塗料の種類です。
現地調査後に業者から、劣化具合や塗装範囲についての説明があり、どんな塗料を使うかの相談があるでしょう。どんな色に仕上げたいか、塗装をどれくらいもたせたいかといった要望を伝えて、見積もりに反映してもらいましょう。
塗料の種類を変えることで、費用の差がどれくらい出るかを知りたいなら、複数の見積書を提出するよう依頼しましょう。
業者は現地調査と要望を持ち帰り、見積書を作成します。
3:仮見積もりを見ながら打ち合わせ
仮見積もりが完成したら、内容を業者と確認しながら打ち合わせを重ねます。
予算が決まっているのなら、範囲内におさめるためにどのようなアイデアがあるか?希望する色で塗装すると、どのようなイメージで仕上がるか?を質問してみましょう。お客さんの疑問や要望に、外観のシミュレータを使って答えてくれるでしょう。
本見積もりを納得できるものにするために、仮見積もりと打ち合わせを重ねることは重要です。満足できる外壁・屋根の仕上がりに、欠かせない手順です。
外壁塗装の適正価格を見極めるポイント
見積もりに関して、高すぎる業者や安すぎる業者には注意しましょう。適正価格かどうかをチェックするのが重要です。各工程ごとの相場を知るための一覧表を掲載しているので、参考にしてください。
1:相場の範囲内であるかを確認する
2階建て住宅で塗り面積200㎡ならば、80〜150万円が相場といえるでしょう。大きく上回る業者は論外として下回るところも要注意です。安い見積もりで受注した後に、追加費用を取るつもりかもしれません。
範囲内に収まっていれば、適正価格と考えることができますが、複数の業者から見積もりを取っているなら、その中でも安い・高いはあるでしょう。必ず根拠があるはずなので、納得できる説明を求めましょう。
2:塗料の種類と使用量
金額をチェックしたら、次は詳細のチェックです。
まずは塗料のメーカー名や商品名や、塗装面積が「㎡」表記になっているか、使用する缶数が明記されているかを確認してください。
塗料は耐久年数や付加価値で1缶当たりの価格が変わり、種類で塗れる面積も変わります。希望を踏まえた塗料選びなのか、塗料の仕様書・基本塗布量とズレがないかを確認してください。
塗料の種類 |
相場金額 |
耐用年数 |
フッ素塗料 |
3,000~5,000円/㎡ |
約15年〜 |
シリコン塗料 |
1,800~3,500円/㎡ |
約7年〜10年 |
ウレタン塗料 |
1,400~2,500円/㎡ |
約5年〜7年 |
アクリル塗料 |
1,000~1,800円/㎡ |
約3年〜5年 |
無機塗料 |
3,500~5,500円/㎡ |
約15年〜 |
3:足場代
高所作業用の足場代は「足場架面積×費用単価(㎡)」で見積もるのが一般的です。費用単価の相場は1㎡当たり700〜1,000円、建坪20〜30坪の戸建てなら15万円前後が目安になります。
中には足場代を無料にすることで、割安感を出そうとする業者がいます。しかし塗装費用の多くを占める足場代をゼロにするのは本来なら不可能です。他の項目に上乗せすることで安さを演出しているに過ぎません。
足場代を節約するなら、外壁だけでなく屋根も一緒に塗装するのがおすすめです。屋根の塗装も合わせて行うことで、足場代を節約できるからです。
4:人件費(施工費)
人件費でチェックするのは、一括して見積もりに計上されていないかです。「一式」というあいまいな言葉が多用されることなく、各工程ごとの細かな費用を積み上げることで、見積もりが作られているかをチェックしましょう。
中には「廃材処理費用」のように、一式と表さざるを得ない項目もありますが「高圧洗浄」「養生」「塗装」など各工程ごとの人件費は、施工面積に1㎡当たりの費用単価をかけることで計算するのが良心的な塗装業者といえます。
どんな工程でも費用単価は同じではありませんし、工程ごとに施工面積が異なることに注意してください。それぞれの費用単価の相場については、以下のページも参考にしてみてください。
外壁塗装の見積もりの具体例
どれくらいの費用がかかる工程をどのように踏んでいくのかが、見積書を見るだけではっきりとイメージできるのが良心的な塗装業者です。チェックポイントは、見積書にあいまいなところがないかどうかです。
良い例
良い見積書は、書類だけで費用と工程がわかります。
- 塗料のメーカー名や商品名が明記されている
- 数量の項目には施工箇所の面積が記入されている
- 単位の項目には「㎡」
- 単価の項目には1㎡当たりの費用が記入されている
など、良い見積書にはあいまいなところがありません。
それぞれに根拠がある見積もりになっており、わからないことは質問すれば、明確な答えが返ってくるでしょう。
悪い例
見積書の悪い例としては、見ても総額でどれくらいの金額がかかるかくらいしかわからないものです。
たとえばどのような工程を行っていくかが不明瞭、外壁塗装は本来3度の塗り重ねを行うのが基本ですが、一式で表現されてしまうと、何回塗り重ねを行うかもわからなければ、どこのメーカーのどんな塗料を用いるのかもわかりません。
一式を多用することで、あいまいなところだらけになるのが悪い見積書、費用の水増しといった「たくらみ」が潜んでいるかもしれません。
外壁塗装の見積もりの注意点・ポイント
詳細な見積もりを出さない以外にも、注意すべき業者を見分けるポイントはあります。値引きで気を引こうとしたり、追加工事が発生したり、自社内で施工ができなかったりする業者は、すべてが悪質とはいえないまでも十分な注意が必要です。
大幅値引きに気をつける
「足場代無料」や「今だけ半額」など、大幅値引きで気を引こうとする業者には注意が必要です。
見積もりの「良い例」でも分かるとおり、外壁・屋根の塗装には本来大幅に値引きできる余地はありません。ウラに何らかのカラクリがあると考えましょう。
高いか安いかの判断は、しかるべき根拠がある相場と比較して行うべきで、何の根拠もない割増された価格への値引きには意味がありません。
追加工事が必要な場合は都度見積もりを依頼する
塗装工事を始めたら新たな問題点が見つかり、追加工事が必要になるというケースは実際に起こります。
しかし中にはそれを利用して高額な請求を行ったり、無料を装って工事を請け負い、後に請求を行ったりする業者も存在します。
追加での工事が必要になったら、その都度見積もりを依頼して、適正価格に収まっているかをチェックしましょう。
自社施工でない場合は中間マージン分だけ高くなる
見積もりを依頼する業者を選ぶ際には、あらかじめHPなどで自社施工を行っているかどうかをチェックしましょう。
外壁・屋根塗装を行う業者には、総合リフォーム会社やハウスメーカーなどがありますが、その多くは適正価格での見積もりが出せません。
理由は塗装工事が外注になる分、3〜5割のマージンが乗り割高な見積もりになってしまうからです。適正価格の範囲内で塗装工事が行えるのは、自社で施工行することができる専門業者だけです。
外壁塗装の見積もりは細かく出してもらおう!
外壁・屋根塗装の見積もりは複数の業者から取るだけでなく、内容を吟味しなければなりません。
ポイントは見積書だけでどのような工事が行われるかが、イメージできるかどうかです。
塗料のメーカー名や商品名が明記されている、数量の項目には施工箇所の面積が記入されている、単位の項目には「㎡」、単価の項目には1㎡当たりの費用が記入されているなど、細かな記載があるほど良い見積もりといえるでしょう。
ごまかしが効く「一式」といった言葉を多用した、ざっくりとした見積もりしか出さないような業者は信頼すべきではありません。
また大幅値引きをうたったり、追加工事が頻発したり、自社施工ができなかったりする業者に依頼する際には、すべてが悪徳業者とはいわないものの、特に注意が必要になるでしょう。
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