外壁塗装はDIYできる?自分で対応した場合に必要な道具や手順を解説!
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カテゴリー:外壁塗装の基礎知識
外壁塗装は施工部位の中でも最も複雑な箇所になります。
そのため、業者に依頼することが最善とされていますが、その分料金も高額になりトラブルも多いのが現実です。
結論から言えばただ塗るだけであればDIYでも十分可能です。
しかし、外壁塗装は複雑で施工技術が必要になるだけでなく、ペンキの種類、乾燥の条件、付随工事など注意しなければならないポイントが多くあります。
外壁塗装はDIYできる?
外壁塗装はある程度ポイントを押さえると、自分で施工できます。
しかし、あくまでも施工ができるというだけで、仕上がりの質等はプロには勝てません。どの程度なら自分で施工可能かしっかり判断するのが大切です。
塗装費用が安くなる
外壁塗装を自分で施工する一番わかりやすいメリットは費用面です。業者に依頼するとなると100万円以上かかることもありますが、自分でDIYすると30万円程度で済みます。
当然、材料の品質や工期によって金額は変動しますが、半額以下で済むことがほとんどでしょう。
足場施工による安全面や自分で準備しなくてはならない手間などを考えると費用対効果が良いのかは疑問が残ります。そのため、しっかり吟味する必要があります。
自分に都合の良いスケジュールで実施できる
業者に外壁塗装を依頼するときに手間がかかるのが工期を調整することです。雨などの環境要因や自分達の都合も考えなければなりません。
夏の暑い日なら窓を開けたいところですが施工中は難しいですし、冬の寒い日なら締め切っていますが、換気口からシンナーの臭いが入ってきて体調が悪くなる可能性もあります。
しかし、自分で施工するのであればこの辺りも考慮して自分の都合で工程を組むことができます。
悪徳業者に騙されることがない
外壁塗装は工事の中でも特にトラブルの多い工事になります。見積もり(金額)が不明確なことや、施工範囲が分かりにくいことが主な原因です。
また、曖昧さを利用する悪徳業者が一定数いることも実情です。自分で施工することで、そういった業者を回避できます。
DIYの外壁塗装で準備するもの
自分で施工をすると決めたら、次に必要になってくるのが専用の道具です。ハケとペンキがあれば問題ないと思われがちですが、揃えるものは多くあります。
専用の道具があればプロ並みに仕上げられるわけではないですが、なければスタートラインにも立てないといことは理解しておきましょう。
・スプレーガン(吹き付け工法時)
・ローラー
・ハケ
・下塗り塗料
・上塗り塗料
・そのほかのおすすめ道具
スプレーガン(吹き付け工法時)
スプレーガンは、ペンキを吹き付けるための道具です。外壁塗装は基本的にはハケやローラーで塗っていきますが、技術のない素人が広い範囲を均一に施工するためには、スプレーガンの方がキレイに仕上がる場合があります。
その際は希釈によって塗布量が少なくなる点に注意しながらじっくり吹き付けていきましょう。
ローラー
ローラーは職人も素人も使いやすい汎用的な道具です。広い面積を塗るのにも狭い面積を塗るのにも適しており、キレイに仕上げることができます。
またホームセンターで安価で入手できるので、費用対効果もよいでしょう。
刷毛(ハケ)
ハケは塗装と聞いて多くの人が思い浮かべる道具かもしれません。
大きいものから小さいものまでさまざまな種類があるので、用途に合わせて使い分けられます。素人でも簡単に扱う事ができ価格も安いため、まずは1本持っておきましょう。
下塗り塗料
外壁塗装の下塗り塗料には「シーラー」と「フィラー」の2種類があります。
一見どれを塗っても同じように思われがちですが、明確な違いがこの2種類の塗料にはあります。しっかり理解して使い分けていきましょう。
シーラー
シーラーとは、塗装面と塗料の密着性を強くしたり、塗料の吸収を防いだりするための下塗り材です。
水性と油性の2種類があります。水のようにサラサラしていて扱いやすく、DIYでの使用におすすめです。
フィラー
フィラーは粘性があり、デコボコとした傷などがある外壁の表面を平らにするために塗る下地材です。
フィラーは特にヒビ割れを起こしやすいモルタル外壁の下地に使われますが、粘性があり扱いにくいためDIYでの使用はおすすめしません。
上塗り塗料
上塗り塗料は、仕上げとして最後に塗布する重要な塗料です。耐用年数や費用に影響する部分は、この上塗り用の塗料の種類によるものです。
一般的に耐用年数が長い塗料がいい塗料とされ、費用も高額になる傾向がありますが、もちろん相性もあるため一概にそうだと言えない部分もあります。
また用途によってメリットとデメリットがあるので特性をよく理解して使い分けることが大切です。
そのほかのおすすめ道具
上記で解説した道具以外にもあれば便利な道具が沢山あります。たとえば、ペンキを入れたり道具を洗浄したりするバケツや、軽く補修するためのコーキング材、サビや汚れを削って落とすためのサンドペーパーなどさまざまです。
施工をしながら、用途に合わせて必要なものを買うのもいいですし、あらかじめ施工手順を確認しながら準備をしておくのもいいでしょう。
・家庭用高圧洗浄機:外壁の汚れを落とすために使用
・バケツ:水を溜めて洗浄するために使用
・ブラシ:細かい部分を施工するために使用
・中性洗剤:汚れを落とすために使用
・シート(養生用テープ):塗料が付着して困る部分に使用
・サンドペーパー:金属部のケレン作業に使用
・コーキング材:サイディングの目地や窓枠部分に使用
DIYで外壁塗装する7つの手順
外壁塗装を行う手順は、専門業者も素人が行うDIYも基本の部分は変わりません。この章では、外壁塗装を7つの手順に分けて解説していきます。
1.外壁塗装するための足場を整える
高所でも安定した作業環境を得るためには、しっかりとした足場が必要になります。足場の設置は、資格を持った人しか組み立てることができないので専門業者に頼む必要があります。
足場を設置するために、家の周りの清掃や近隣への挨拶などは事前に済ませておきましょう。
足場の設置は家の大きさにもよりますが、15万円~30万円程度が相場とされています。金額についての考え方は人それぞれですが、年間の落下事故件数の多さや作業環境による施工仕上がりの品質性などを考慮すると、決して高い金額ではないでしょう。
必要経費だと考えて最初に予算に入れておくことで、金銭的な不安も解消できます。
2.外壁についた汚れやカビを洗浄する
外壁塗装の前には、必ず高圧洗浄機などを用いて洗浄しましょう。外壁は見た目以上に汚れているため、最初にキレイにしておかなければ施工した後の仕上がりに影響が出てきます。
たとえば、塗膜がすぐに剥がれてしまったり、塗った直後から変色して汚く見えたりといったことが起こります。
本来であれば、高圧洗浄に追加してブラシなどの清掃道具を使って入念に行う方がよいのですが、足場などの不安定な作業環境ではかえって危険です。
3.塗装しない外壁部分を隠す
作業しない場所については、しっかりとした養生を行いましょう。養生には二つの効果(役割)があり、一つは施工中の汚れ防止、もう一つは施工範囲を明確に分けることです。
地面やサッシ、植木などの美観に関わる場所に配慮しながら施工するのは、ストレスが大きい部分ですが養生をすることで気にせずに作業ができます。
また、塗装をしていて色が似通っているとどこを施工したか分からなくなる場合があります。
3回塗りを行うのが基本ですが、養生がないと施工済みの箇所がわからず、塗り回数が少なくなってしまい施工不良を起こす可能性があります。
4.ひび割れ傷を補修して塗装の下地を作る
外壁作業を行う上で一番重要になる作業が下地処理です。代表的な下地処理は「クラック補修」「コーキング作業」「ケレン作業」の3つです。
クラック補修とは、外壁に入ったひび割れを補修することです。これを放置しておくと雨漏りの危険性が増しますので、住宅そのものの寿命を縮めかねません。
コーキング補修とは、外壁材の継ぎ目を補修することです。作業範囲が広いため多くの時間が必要です。
ケレン作業とは、サビ除去作業のことです。塗装は金属部分がとても塗りにくく、付着性も悪くなります。この作業を行うことで、付着性をあげて仕上がりをキレイにします。
5.塗装の下塗りをする
塗装は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りが原則です。その中でも一番最初に行う下塗りには、中塗りと上塗りの塗料をしっかり付着させる役目があります。
隅々までしっかり下塗りをすることで、上塗り用塗料を密着させ、塗料のはがれを防止できます。
どこを塗ったか分からなくなる場合がありますので、下塗りは白で中塗りはクリーム色といった具合に色を変えておくことをおすすめします。
ローラーや刷毛を使って細かい部分もすべて下塗りし、塗り終えたら最低でも1日以上の乾燥期間を取りましょう。
6.塗装の上塗りを行う
下塗り、中塗りが完了したら上塗りを行います。
その際に下塗りを省いたり、中塗りを塗装しなかったりなどして、塗り回数が不足しないように注意しましょう。
反対に必要以上に塗り重ねることも耐久性が低下する原因となるため注意してください。
7.足場の解体・撤去
最後に行うのが足場の解体作業です。これは取り付けてもらった専門業者に依頼することになります。
騒音や車の駐車位置など、近隣へ迷惑をかける可能性があるので、事前に連絡しておきましょう。
未然のトラブル防止にも繋がりますし、業者も周りに気を遣わずにスムーズに作業ができるので時間も短縮できます。
DIYで外壁塗装する際の注意点やポイント
DIYで外壁塗装を施工する際には注意しなければならないポイントがいくつかあります。
わからないまま施工すると、後の耐用年数や建物の美観に影響を及ぼすのでしっかり抑えておきましょう。
きちんとした道具を準備する
DIYを行う際は道具選びには時間をかけてしっかり吟味しましょう。技術のない素人が自分で行う場合は、ある程度使いやすい道具に助けてもらう必要があります。
施工後の仕上がりに影響しますし、仕上がりは耐用年数に影響します。道具はきちんとしたものを準備しましょう。
しっかりとしたスケジュールを組む
DIYだからといって空いた時間に少しづつ施工しようと考えがちですが、これはおすすめできません。
理由は、素人が中途半端に塗布してしまうと仕上がりにムラができてしまうからです。
塗装はあくまでも1度に1面ずつ行わないと繋ぎ目がはっきり分かりやすくなり、塗装する面積が大きいほど目立ちます。
DIYだからこそ、できるときに一気に進めるスケジュールを組みましょう。
塗布量や乾燥時間をしっかり守る
塗装する際には、正しい塗布量や乾燥時間(インターバル)を守ることが重要です。
各メーカーが推奨している基準量や基準時間を守らなければ、塗料本来の性能を十分に発揮することができません。
参考ですが、一般的に温度が低い方が乾きにくく、湿度が高いほうが乾きやすい特徴があります。最低でも下塗り・中塗り・上塗りで各1日を目安に乾かさなければなりません。
施工前に把握して工程計画を立てていきましょう。
高所作業中に転倒して怪我をしないようにする
塗装作業では安全面に配慮することが大切です。プロの専門業者でも転落事故は年に何回も起きています。
特にと装柱は作業に集中しすぎて足元が疎かになりやすいため、安全対策はプロの人よりも入念に行いましょう。
ヘルメットやロープはもちろんのこと、作業前の目視確認や服装などできるところは徹底して対策を行ってください。
自分でやるのが難しい場合は業者に依頼する
自分でDIY行う際には、施工場所の状況も大切になります。
塗装は下地処理がとても大切で、これが不十分だと後の仕上がりや耐用年数にも影響が出てきます。
しかし、中には自分で下地処理ができないほど劣化している場合もあります。その場合はあきらめて専門業者に依頼しましょう。
丁寧に塗装して塗り直しがないようにする
自分でDIYしときに、最も気を付けなければならないリスクが塗り直しです。
専門業者に依頼するのに対して、自分で施工する方が金銭的なメリットが大きい点について記載しましたが、塗り直しが発生するとそのメリットは消えてしまいます。
むしろ、相場よりプラス50万円程度追加費用がかかってしまうケースもあります。外壁塗装の本来の目的は、住宅の美観維持と保護による寿命の増加です。
塗装面の光沢差や塗膜が剥れている、もしくは部分的に膨らんでいるなど、怪しい症状が発生した場合には直ぐに塗りなおす必要があります。
外壁塗装後は定期的にメンテナンスする
外壁の寿命は家の立地環境によって大きく左右します。
雨や雪の降りやすい場所、日差しが強い場所、潮風が強い場所など、条件によっては通常より何年も耐用年数が短くなる可能性があります。
自分でDIYした場合は特に仕上がりに不安があるため注意が必要です。施工後に定期的なチェックとメンテナンスをしっかり行いましょう。
少しでも劣化を感じたら、耐用年数に関わらず早めに修理することが大切です。
まとめ:手順をしっかり確認して外壁塗装をDIYするか決めよう
色を塗るだけであれば、ある程度ポイントを抑えれば可能ですし費用も安く済みます。
しかし、施工後のメンテナンス費用や塗るまでに費やした時間による費用対効果など意外と計算すると割に合わない側面も出てきます。
メリット・デメリットをしっかり理解した上で、DIYをするか判断することが大切です。
もちろん専門的な知識や技術は必要になるため、もし迷う場合は専門業者に依頼する方が安心です。
アップリメイクではDIYでは実現できない確実な仕上がりをお約束します。気になる人はぜひお問い合わせください。
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