外壁塗装の下塗りの役割と種類とは?塗料は何色を使うの?
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カテゴリー:外壁塗装の基礎知識
塗装工事では下塗りの工程がとても重要です。下塗りが疎かになってしまうと、見た目だけでなく耐久性や安全性へも影響を及ぼします。
外壁塗装で失敗しないためには、下塗りの役割と種類をしっかりと理解し、工事の際に確認すべき事項を押さえておくことが大切です。セルフチェックすることで、手抜き工事のリスクを軽減できます。
この記事では、外壁塗装において下塗りがどんな役割を持つのか、下塗り塗料にはどのような種類があるのかについて解説していきます。
外壁塗装の下塗りは重要な工程
外壁塗装の下塗りは、塗装工事のなかで最も重要な工程です。
外壁塗装は一般的に、下塗り・中塗り・上塗りの3回に分けて行われます。下塗りは1番初めに行う基礎部分であり、最終的な仕上がりを決定するほど大切な役割を持ちます。
下塗りにかかる日数は約1日です。下塗りがしっかり乾燥していないと、中塗り・上塗りが失敗してしまうため、他の工程よりも念入りに行う必要があります。外壁の劣化状況や天候次第では、さらに時間がかかることも覚えておきましょう。
また、下塗りは1回で終わるとは限りません。劣化が進んでいる箇所や新しく施工したモルタル外壁などは2回以上塗り直しが必要です。
下塗り塗料は、中塗り・上塗りとは異なる塗料を使用するのも特徴です。白色または透明なものが多く、価格は600円〜1,200円/㎡を目安にしておくと良いでしょう。
外壁塗装の下塗りの役割
外壁塗装の下塗りにはさまざまな役割があります。見た目だけでなく、機能性・耐久性を上げるにも効果的です。ここからは下塗りの主な役割6つを詳しく解説していきます。
「外壁材」と「中塗り・上塗り」の接着剤
下塗りには、外壁と上塗り塗料を密着させる効果があります。上塗り塗料は接着力が弱く、直接外壁や屋根に塗ってしまうと剥がれやすくなるのがデメリットです。しかし間に下塗りを挟むことによって、下塗り塗料が接着剤のような役割を果たしてくれます。
外壁と上塗りの密着性が高まると、塗料の耐久性が上がり、塗り立ての状態が長持ちします。さらに仕上がりを良くするのにも効果的です。
接着力を上げるには、前回使用した塗料に応じて下塗り材を選びましょう。相性が悪い塗料を使うと、ひび割れや剥がれを起こしやすくなります。
発色が良くなる・仕上がりのムラを無くす
下塗りには発色や色ムラを整え、美しく仕上げる役割があります。白く下塗りすることで、前回の塗料が新しい塗料を邪魔せず、発色が格段に良くなります。できるだけ希望に近い色で仕上げるには、白い塗料でいったんリセットすることがポイントです。
また、壁面の凹凸や細かい傷を埋めて、色ムラをなくす効果もあります。下塗りしないと外壁材に塗料が吸い込まれ、塗膜が作られません。色を均一にするには、なめらかな塗膜を張ることが重要です。
下塗り塗料にはフィラーやシーラーなど数種類ありますが、どの塗料においても下塗りは2回以上行うと効果がアップします。
「外壁材」の補修と補強
下塗りすると、既存の塗装との密着力が高まり、外壁材を補修・補強することが可能です。具体的には「塗料の吸い込み」と「ひび割れ」に効果を発揮します。
損傷が多い箇所やモルタル外壁は、塗料の吸い込みが激しく色ムラが発生しがちです。下塗りで表面を滑らかにすれば、傷や劣化部分に塗料が吸い込まれるのを防げます。
また、経年劣化によりできたひび割れを埋めることにも役立ちます。ひび割れを残したまま中塗り・上塗りしても、そこから塗料が剥がれてしまうので、先に補修しておく必要があります。
外壁塗装の耐久性アップ
下塗りをしなかった場合、塗膜が剥がれる・膨れるといった不具合が生じます。中塗り・上塗りの塗料は密着性が低いため、直接塗装しても外壁材とうまく接着しません。そこで、下塗り塗料の密着機能を利用することで、塗装面に塗料がピタッと張り付いてくれます。
しっかりと密着させれば、塗料が剥がれにくくなり、ひび割れなどの損傷を防ぐことにつながります。また、塗料の耐久性がアップすれば、塗りたてのような美しさを長期間保つ効果も期待できます。
「外壁材」の元の色を隠す
下塗りすると現在の外壁の色が隠れるため、きれいな仕上がりになります。特に元の色と大きく異なる色にする場合や濃い色から淡い色・薄い色に塗り替える場合に有効です。
元の色が残っていると、新しい色の下から透けてしまいきれいに発色されません。下塗り塗料の隠ぺい性を利用すれば、自由に配色を選ぶことが可能です。
下塗りで色を隠す場合、どの色で塗るかがキーポイントとなります。基本的には新しい色を邪魔しないような白色の塗料を使用します。下塗り塗料の色選びは仕上がりに影響するため、失敗を防ぐには業者に相談するのがおすすめです。
塗装の機能向上
下塗り塗料には、遮熱性や防藻防カビ性といったさまざまな機能をもつものがあります。これらの塗料を使用すれば、外壁塗装の機能性を底上げできます。
例えば、遮熱性が上がれば、室内を快適な温度に保てるでしょう。また、防藻防カビ性を追加することで、建材の腐食を食い止められます。
また、金属製の外壁に下塗りする場合は、さびを防ぐ効果も期待できるでしょう。さびの発生を予防することにより、古びた印象にならず建物全体の劣化を遅らせるのに役立ちます。
外壁塗装の下塗りが不要の塗料もある
外壁塗装において下塗りは必須工程ですが、一部例外もあります。下塗り不要の上塗り塗料製品を使用する場合、下塗りする必要はありません。
下塗り不要の上塗り塗料は、下塗りをしなくてもきれいに仕上がり、かつ耐久性も確保されている優れものです。
しかし、このような特殊塗料は数が少ないため、現在の外壁塗装で下塗り不要となるのは稀なパターンです。外壁の素材や劣化状況によっては使用できないこともあります。どうしても使用したい方は、直接業者に問い合わせてみてください。
外壁塗装の下塗りの種類
下塗り塗料にはさまざまな種類があり、外壁材や建物の状態によって使い分ける必要があります。選ぶときのポイントは下塗り塗料と上塗り塗料の相性が良いかどうかです。上塗り塗料のタイプや機能性に適合した下塗り塗料を選ばないと、それぞれが持つ役割をうまく果たせません。
塗料用のカタログやメーカー公式サイトには塗料の相性が記載されていますので、参考にしてみると良いでしょう。
以下に下塗り塗料の代表例を紹介します。
下地塗料 |
使用場所 |
特徴 |
シーラー |
劣化が激しい箇所 |
中塗り・上塗り塗料の吸い込みを防止する |
プライマー |
劣化が激しい箇所、金属製の下地 |
外壁材と塗料の密着性を高める、塗料の吸い込みを防ぐ |
ウォッシュプライマー(エッチングプライマー) |
金属製の下地 |
塗料の密着性を高める、さび止め効果 |
フィラー |
ひび割れや表面のデコボコが多い箇所 |
外壁材の表面を滑らかにする |
微弾性フィラー |
モルタル外壁 |
シーラーとフィラーの機能を併せ持つ、ひび割れ再発を防ぐ |
バインダー |
劣化の少ない箇所、新築建物 |
上塗り塗料を定着させる |
サーフェイサー |
中塗り |
下塗りの微調整、密着性を高める、下地を滑らかにする |
プラサフ |
劣化した箇所、中塗り |
プライマーとサーフェイサーを1工程にまとめる |
外壁塗装の下塗りの色は何色?
下塗り塗料の色は、塗料製品によって決まります。一般的には白色、灰色、透明色ですが、ベージュや茶色、黒色などの場合もあります。
さらに既存の外壁色や上塗り塗料の色などによっても異なるため、具体的に何色を使うかは初心者では判断しがたい事項です。色選びで失敗しないためには、専門知識を備えた業者に相談するのが良いでしょう。
まったく異なる色や濃い色から薄い色に塗り替えるときは、特に下塗りの色選びが重要ポイントです。
まとめ
塗装工事では下塗りの工程がとても重要です。下塗りには主に6つの役割があり、建物の耐久性や見た目を上げるには欠かせません。下塗りは中塗り・上塗りの基盤となるため、丁寧に重ね塗りをする必要があります。
アップリメイクでは品質向上のため、下塗り2回を基本としていますのでご安心ください。
また、下塗り塗料にはさまざまな種類があり、どの塗料を使用するか、どの色にすべきか、は専門的な知識が不可欠です。アップリメイクではどんな質問も受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
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