外壁塗装の乾燥時間で塗装効果が変わる?早くても遅くてもNG!
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カテゴリー:外壁塗装の基礎知識
外壁塗装にかかる期間のうち、乾燥時間は大きな割合を占めます。それほど重要な役割を担っており、最終的な仕上がりにも影響してきます。
外壁がきれいな状態を長く保つには、各工程や状況に応じた乾燥時間を把握することが大切です。長すぎても短すぎても良くないことを覚えておきましょう。
この記事では、適切な乾燥時間と注意点について詳しく解説していきます。契約した施工内容が適切か悩んでいる方、外壁塗装でトラブルを避けたい方は最後までチェックしてみてください。
外壁塗装の乾燥時間はどのくらい?
塗料が乾燥するには4段階のステップがあり、各段階で乾燥時間が異なります。乾燥時間を目安に次のステップに進めるかどうかを判断するため、適切な時間を守ることが美しい仕上がりへの第一歩です。
ここからは、各ステップの特徴や注意点について詳しく解説していきます。
指触乾燥
乾燥の第1段階は、塗装面を軽く指で触っても塗料が付着しない「指触乾燥」です。
表面上は乾燥していても内部までは乾燥できていないため、強い力でこすることはできません。また、この段階で2度塗りするのもNGです。塗膜がヨレたり指紋が付いたりしないよう、軽く触れるくらいで確かめるようにしてください。
指触乾燥にかかる時間は、塗装後1~2時間程度です。ただし、天候や湿度によって乾燥時間は前後します。
半硬化乾燥
第2段階は、塗装面を指の腹でこすっても塗膜にシワ・ヨレが生じない「半硬化乾燥」という状態です。
この段階では重ね塗りが可能で、下塗り・中塗りをしてから次の段階に進むには、以下の乾燥時間が必要となります。
・下塗り
3時間~24時間程度
・中塗り
3時間〜4時間
半硬化乾燥にかかる時間は数時間~翌日程度が一般的ですが、塗装方法・気温・湿度によって適切な乾燥時間は異なります。マスチックローラーを使用した場合は塗膜が厚くなるため、乾燥時間を長く設定しなければなりません。また、気温が低いと長めの乾燥時間が必要です。
下塗りの乾燥時間
下塗りから中塗りまでの間には、3時間以上7日以下の時間を置く必要があります。乾燥時間が長すぎるとホコリやゴミなどが付着してしまうため、7日以上乾燥させるのはNGです。
ただし、乾燥時間は使用する塗料によって多少異なります。シーラー系は2~3時間、フィラー系は4~6時間、防水系だと約16時間が最適な乾燥時間です。
建物と塗料をしっかり密着させるには、塗料の種類別に乾燥時間を設定し、長く置きすぎないように注意しましょう。
以下のリンクでは下塗り工程についてさらに詳しく解説しています。
中塗りの乾燥時間
中塗り後に必要な乾燥時間は、一般的に3~4時間程度です。塗料の種類によっては、乾燥に3時間以上7日以内かかるものもあります。
外壁塗装では中塗りと上塗りに同じ塗料を使用し、主に水性と油性の2種類があります。油性塗料を使用した場合、水性よりも早く乾燥することが多く、工事期間の短縮につながります。
上塗りの乾燥時間
上塗りは塗り工程の最終ステップなので、下塗り・中塗りよりも乾燥時間は長めに設定されます。
基本的には、養生が剥がせるまでの翌日以降が目安です。昼夜で気温が変わるため、日をまたぐように乾燥させます。また、水性、1液型溶剤、2液型溶剤で違いはなく、すべて同じ乾燥時間です。
上記で説明したように、上塗りでは中塗りと同じ塗料が使用され、水性よりも油性塗料の方が早く乾きます。
硬化乾燥
第3段階の乾燥は、塗膜を強くこすっても傷や指紋が付かない「硬化乾燥」という状態です。
第2段階までと違い、表面だけでなく内部まで乾燥が進んでいます。しかし完全に乾燥しているわけではないため、指の爪など尖ったもので触らないよう注意してください。
硬化乾燥にかかる時間は、塗装後およそ1週間です。目視では乾燥が終わっているように見えても、1週間程度は乾燥期間を設けるようにしましょう。
完全乾燥
第4段階は「完全乾燥」という乾燥工程の最終ステップです。
塗膜が完全に形成され内部まで乾燥が完了しているため、強くこすっても傷や凹みが生じません。また、酸やアルカリなどの薬品が付着しても溶け出さない強固な状態です。
完全乾燥には2週間程度の時間が必要で、塗料の種類や天候などによっては1ヵ月~2ヵ月ほどかかる場合もあります。どれくらいの期間が必要か気になる方は、あらかじめ塗装業者に尋ねておくと良いでしょう。
外壁塗装の乾燥時間が変わる要因
外壁塗装では、さまざまな要因によって適切な乾燥時間が異なります。
主にチェックすべきポイントは、塗装方法・塗料・季節の3つです。さらに天候や風通しといった要因でも変わってきます。
ここではそれぞれの要因について詳しく解説します。
塗装方法による違い
塗料の乾燥時間は、どのように塗装するかによって差が生じます。
外壁の塗装方法には、通常のローラーを使用する場合と、マスチックローラーを使用する場合の2パターンがあります。マスチックローラーとは、外壁を厚塗りする際に使用するスポンジ状のローラーのことです。
マスチックローラーを使用した場合は塗膜が厚くなるため、通常よりも乾燥時間が長くなります。つまり、塗膜の厚さが乾燥時間の長短に関係するということです。
塗装作業にどのローラーを使うか確認しておくと、おおよその時間を予測するのに役立ちます。
塗料による違い
塗装方法が同じでも、どの塗料を使うかによって乾燥時間は変わってきます。
下塗り塗料の種類と乾燥時間は以下のとおりです。
・シーラー系 2~3時間
・フィラー系 4~6時間
・防水系 約16時間
また、上塗りに使用する塗料は主に「水性」と「油性」の2種類があり、一般的に水性よりも油性の方が早く乾燥します。水性塗料は水分が蒸発することにより塗膜を形成するため、気温が低いと大幅に乾燥が遅れるからです。
乾燥時間の目安は、各塗料メーカーのパンフレットでチェックできます。
季節による違い
季節や気候は外壁塗装の乾燥時間に大きく影響します。
乾燥が遅れる主な要因は、気温が低い・湿度が高いという2点です。外気温が5~10度の場合は乾燥するのに8時間以上かかりますが、30度だと2時間程度で済むこともあります。
そのため、夏の晴天日が最も乾燥に適しており、冬の雨天日は不向きとなります。気温が低い冬場は乾燥に時間がかかるため、半日~1日程度は見ておきましょう。
また、気温5度以下または湿度85%以上の場合、乾燥に適さない環境であるため外壁塗装そのものを中止しなければなりません。
その他の原因による違い
乾燥時間を決める要因には、他にもさまざまな点が挙げられます。
雨が降った日やジメジメした気候では湿度が高くなるため、塗料が乾きにくくなります。乾燥時間が遅れるだけでなく、塗膜の剥がれや膨れが生じる可能性もあります。
また、風通しが悪い場所も乾燥には不向きです。塗装面がブルーシートなどで覆われている場合は、撤去することで乾燥が早まることもあります。
塗料が厚ければ乾燥時間が長い、北面の方が日照時間が短く乾燥しにくい、といった点も覚えておきましょう。
雨の日の外壁塗装については以下のリンクを参考にしてみてください。
外壁塗装の乾燥時間の注意点
外壁塗装での乾燥作業は仕上がりを決める重要な工程です。きれいな外壁を保つためにも、気を付けるべきポイントについてあらかじめ理解しておきましょう。
ここでは外壁塗装の乾燥に関する注意点を2つ紹介します。
乾燥時間を守る業者を選ぶ
明らかに施工期間が短い業者には注意してください。悪徳業者は乾燥時間を短くして案件数を稼ぎ、不当に利益を上げようとするケースも考えられます。
乾燥時間を守らないと、塗装の剥がれ、ひび割れ、シワ、色ムラ、表面のベタつきといった施工不良が生じます。また、塗り重ね時間を過ぎると、塗料の密着が悪くなり建物全体が劣化しやすくなります。
各メーカーや種類によって多少差はありますが、一般的な乾燥時間は3時間~7日以内が目安です。メーカーのパンフレットなどで乾燥時間を確認し、あまりにも差がある場合は一度業者に問い合わせてみましょう。
完全乾燥までは触らない
乾燥が完了する前に触ってしまうと、塗膜が剥がれたり変形する可能性があります。
完全乾燥にかかる時間は約2週間です。見た目では乾いていても内部までは乾燥できていないこともあるため、2週間程度は塗膜に負担をかけないようにしましょう。
また、乾ききっていない塗膜は汚れが付きやすい状態なので、塗装直後は洗車や植木などの作業は控えてください。
上述したように乾燥時間は気温や湿度によって異なるため、完全乾燥までの目安を事前に尋ねておくと安心です。
まとめ
外壁塗装では乾燥工程が最終的な仕上がりに大きく影響します。外壁の美しさを長く保つには、適切な乾燥時間を守ることが重要です。
塗料が乾燥するには、指触乾燥・半硬化乾燥・硬化乾燥・完全乾燥の4段階があり、それぞれの工程によって必要な乾燥時間が異なります。また、塗装方法や塗料、季節なども乾燥時間を左右する要因です。
今回紹介した乾燥時間はあくまで目安であり、塗装する環境下によって乾燥するまでの時間は異なります。乾燥時間を詳しく知りたい方は、一度業者に問い合わせてみてください。
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