外壁塗装で使うシリコン塗料の種類や特徴!メリットデメリットを紹介!
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カテゴリー:外壁塗装の基礎知識
外壁塗装に使う塗料のグレードで迷っているなら、まずはシリコン塗料を検討してみましょう。
理由はコストパフォーマンスが高いからです。価格と耐久性など性能とのバランスのよさは、シリコン塗料を選ぶ大きなメリットです。
また、種類が豊富なのもシリコン塗料です。カラーバリエーションやタイプ、特化した性能などで選ぶことができます。
ここではシリコン塗料についてくわしく解説しています。多くの人が外壁塗装にシリコン塗料を選んでいる理由がわかるでしょう。
外壁塗装で使うシリコン塗料とは?
それでは早速、シリコン塗料の使用を検討している人に向けて、主成分や種類、概要を解説していきます。
シリコン塗料の概要
塗料の主成分である樹脂は塗膜を作り外壁などの下地を保護する、色をつける顔料を固定するという重要な役割を担っています。
そんな塗料の性格を左右する樹脂に、シリコン系のものを用いているのがシリコン塗料です。数多くのメリットがある割にデメリットが少ないので、現在、外壁塗装で広く用いられている塗料の1つとなっています。
シリコンはケイ素原子と酸素原子が強く結びついてできています。結びつきの強さで、強い塗膜が形成されます。
シリコン塗料の種類
シリコン塗料は1種類ではありません。使い方で2種類、タイプで2種類の合計4種類に分けることができます。
1液型と2液型
シリコン塗料は1液型と2液型の2種類に分けられます。1つの缶に塗料の成分すべてが詰まっているのが1液型、塗料を固める役割の硬化剤が別になっているのが2液型です。
1液型は使いやすさや価格の安さがメリットとなっており、2液型は耐久性の高さや多くの素材に用いられることがメリットです。
少しでも外壁塗装を長持ちさせたいなら、塗装業者に2液型をリクエストするとよいでしょう。ただし1液型より扱いが難しく、施工不良が発生する可能性が増すので、経験豊富な業者選びが必要です。
水性と油性
塗膜を形成する樹脂や色をつける顔料などを溶かして、液状にしているのが溶剤です。塗料は溶剤に水を用いる水性と、シンナーを用いる油性に分けることができます。
水性は使用時の臭いの弱さが主なメリットです。一方油性は、耐久性や速乾性に優れていること、多くの素材に塗れる特徴があります。
近年の外壁塗装は水性塗料が使われるケースが増えています。油性塗料のシンナー臭や人体・環境への悪影響を敬遠する人が多いのが理由でしょう。
外壁塗装でシリコン塗料を選ぶメリットとデメリット
シリコン塗料が外壁塗装でよく用いられる理由はメリットが数多くあるからですが、その一方でデメリットもあります。外壁塗装の塗料選びではメリットとデメリットの両方を知り、比較検討してください。
シリコン塗料のメリット
シリコン塗料を選ぶ最大のメリットは、値段の割に高性能なコストパフォーマンスの高さです。他のメリットも含めて多くの人が外壁塗装に用いるので、業者も扱いになれています。
その他の要素も含めて解説していきます。
コストパフォーマンスが高い
シリコン塗料の価格は1㎡あたり2,300〜3,500円で、耐用年数は7〜15年です。
アクリル塗料やウレタン塗料より高いものの、フッ素塗料やセラミック塗料より安い価格となっています。耐用年数も価格帯の割には長いのも特徴です。
耐用年数が長いと次の外壁塗装まで時間があけられ、それでいて価格は中くらい。コストパフォーマンスが高いシリコン塗料を用いると、メンテナンス費用を抑えられるでしょう。
選べる幅が広い
コストパフォーマンスの高さから人気のシリコン塗料は、日本ペイントなど数多くのメーカーが製品開発や販売に力を入れています。その結果、カラーバリエーションなどの選択肢が増え、ますます人気が高まっているのです。
乾燥後もしなやかな塗膜を造る弾性が高いものや、弾性が低いもの、高性能な高級品、性能も価格もそこそこという普及品など、シリコン塗料には豊富な選択肢が揃っています。それぞれの希望に合ったものを見つけることができるでしょう。
耐久性が高い
アクリル塗料やウレタン塗料より長い、7〜15年というシリコン塗料の耐用年数は、シリコンが造る塗膜の耐久性の高さによります。
600度前後の高温に耐えられる耐熱性、撥水性がある強固な塗膜による耐水性、酸性雨や紫外線に強い耐候性が、耐久性の高さを実現しています。
塗装時のつやが長い期間保たれることや、カビや藻の発生のしにくさもシリコン塗料の特徴です。次の外壁塗装までの長期間、塗装面の美観を保ち続けます。
汚れに強い
月日がたっても失われにくいシリコン塗料によるつやは、塗膜の表面のなめらかさが長期間保たれていることに通じます。
なめらかなので汚れが付きにくく、付いた場合も雨水で流されやすいのもシリコン塗料のメリットです。
近年ではセラミックを配合することで、さらに汚れに強いシリコン塗料も登場しています。高圧洗浄機やブラシを用い、みずから汚れを落とす頻度が下がるので、手間をかけずに美観を維持できるでしょう。
シリコン塗料のデメリット
シリコン塗料にもデメリットはあります。中でも大きいのは、価格が特別に安くはないことです。7〜15年という耐用年数が不要なら、単価が安いアクリル塗料やウレタン塗料が候補になります。
価格が安くはない
フッ素やピュアアクリル、セラミックなどの高級塗料に比べると価格は安いとはいえ、アクリル塗料やウレタン塗料より高価なのがシリコン塗料です。
価格が特別安いわけではないのが、シリコン塗料のデメリットといえるでしょう。
それだけにとにかく価格を抑えて欲しいというケースや、耐用年数をとにかく長くというケースでは、シリコン塗料はおすすめできません。
ひび割れしやすい
形成される塗膜がなめらかな一方で、粘りやしなやかさに欠けるのがシリコン塗料です。
住宅が幹線道路や線路沿いにあり、たびたび車や電車の大きな振動が伝わるようであれば、影響で塗膜がひび割れてしまうかもしれません。
また温度や湿度で伸縮しやすいモルタルやコンクリートの外壁に、弾性が低いシリコン塗料を使うと、ひび割れが起きやすくなります。
おすすめはシリコン塗料でもひび割れにくい弾性が高いタイプや、しなやかなウレタン塗料を用いることです。
重ね塗りには向いていない
シリコン塗料特有のなめらかな塗膜は、水分や汚れと同様に他の塗料もはじいてしまいます。そのまま塗っても密着しないので、重ね塗りには向きません。
とはいえシリコン塗料と相性の良い下地剤を用いるなど、下地処理を念入りに行えば、重ね塗りは可能になります。
外壁塗装後に耐用年数が過ぎて再塗装を行う際には、業者にシリコン塗料を用いたことを伝えれば安心できるはず。もしくは経験豊富な外壁塗装業者に依頼しましょう。
外壁塗装でシリコン塗料がおすすめの人
値段も気になるけど長持ちもして欲しい、外壁を自分で手入れするのは面倒という人にはシリコン塗料がおすすめです。ここではあらためて、どういった人にシリコン塗料がおすすめなのかを解説していきます。
価格重視の人
シリコン塗料は、価格の割に高い性能の塗料を選びたい人におすすめです。最安ではないものの価格に対して耐用年数が7〜15年とコストパフォーマンスが高いからです。
種類も豊富なのがシリコン塗料の魅力でもあります。カラー以外にも汚れにくさや弾性の高さなど、種類も豊富です。
10年以上住み続ける予定の人
10年は住み続けたいと考えている人に、シリコン塗料は向いています。また、数10年は住み続けたいと考えている人にもおすすめです。
アクリル塗料やウレタン塗料なら1回あたりの塗装費用は安くても、10年は持たずに再塗装の時期が来てしまいます。数10年のスパンで見るならシリコン塗料のほうがお得です。
10年以上長く住み続けたい人に、シリコン塗料は向いています。
お手入れを楽にしたい人
汚れが付きにくいのは、シリコン塗料の特徴です。高圧洗浄機やブラシなどで、たびたび外壁掃除をしたくない人におすすめです。
また業者を入れてのお手入れも少なくてすむのがシリコン塗料です。1度外壁塗装をしてしまえば再塗装は10年以上先、それまでにかかる費用も貯まるでしょう。
シリコン塗料より耐用年数が長いものは多くあります。ただし1回分の費用の大きさを考えると、シリコン塗料は非常に魅力的でしょう。
外壁塗装でシリコン塗料の選び方
シリコン塗料は種類が豊富なので、どれを選べばよいか困ってしまうでしょう。ここからは種類が豊富な中から絞り込む方法を解説します。
シリコン含有率で選ぶ
まずはシリコンが含まれている割合で選んでみましょう。含有率が高いほどシリコンの特性が明らかになり、汚れ落ちや耐久性が高くなる傾向にあります。
とはいえ、含有率が高くなるほど値段も高くなります。中には1缶あたり8,000〜2万円という高級塗料もあります。
外壁にどれくらいの汚れ落ちや耐久性を求めるかを考えて、ぴったりの含有率のシリコン塗料を選びましょう。
求める性能で選ぶ
シリコン塗料はよく売れるカテゴリーなので、各塗料メーカーは開発に力を入れています。そして生まれたのが様々な付加価値を持つシリコン塗料です。
汚れにくさや遮熱性の高さに特化しているものや、防カビ・防藻性能を持つものなどが登場しているので、欲しい性能に着目してシリコン塗料を選ぶとよいでしょう。
それでも迷ってしまったら、防水性能に注目するのがおすすめです。下地の持ちが良くなる、汚れが落ちやすいなどのメリットが得られます。
色で選ぶ
好きな色を優先するのも、選び方の1つです。1つのメーカーで見つからないなら、他のメーカーの色見本も見せてもらいましょう。
注意点は小さな色見本を室内で見くらべるのではなく、A3くらいに拡大出力したものを日光の元で検討することです。
面積の大小や屋内・屋外で色の印象はずいぶん変わります。色選びで失敗しないコツは、外壁塗装が実際に行なわれる環境にできるだけ近づけることです。
価格で選ぶ
シリコン塗料を選ぶ上で、価格で選ぶというのも良いでしょう。
とはいえ、安価なシリコン塗料はシリコンの含有率が下がる傾向にあり、シリコン塗料ならではの特性が不十分なものもあります。
価格の優先もできますが、性能と価格のバランスにも着目しましょう。
油性か水性で選ぶ
シリコン塗料には水性・油性のタイプがあるので、目的にあわせて選ぶことができます。
住宅同士が密接しており、できるだけ臭いを抑えるなら水性、臭いは気にせず耐久性を優先するなら油性といった選び方も可能です。
あわせてシリコン塗料なら、1液型・2液型の使い方でも選べます。
予算に余裕がないなら1液型、少し余裕があるので耐久性を重視したいなら2液型を選ぶこともできます。
近年はタイプや使い方による差は縮まりつつありますが、こだわってみるのもよいでしょう。
シリコン塗料は外壁塗装の優等生
コストパフォーマンスの高さから、多くの人にすすめられるのがシリコン塗料です。価格帯は中くらいで性能はそこそこですから不満に思う人は少ないはず、こだわりがない人ならなおさらです。
また、存分にこだわることができるのもシリコン塗料です。カラーや汚れ落ちなどの特性、水性・油性などタイプといった種類が豊富なので、満足のいく選択ができるでしょう。
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