外壁塗装の劣化の種類や原因!こんな症状が出たら適切に対処しよう!

新築や塗り替えから10年以上経過すると、住宅は雨風など、さまざまな影響で劣化していきます。劣化に気づいたら、まずは原因を把握して、適切な対応をしていくことが大切です。

 

そこで今回の記事では、外壁塗装の劣化の原因や劣化の種類を詳しく解説していきます。また、外壁の劣化を補修する方法も紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装の劣化の原因

外壁の劣化原因には、紫外線や、雨や風の影響などさまざまなことが考えられます。ここでは、外壁の劣化原因を、詳しく解説していきます。

 

紫外線

外壁の劣化原因の一つに紫外線があります。外壁に紫外線が当たり続けると、色褪せの現象が起こります。太陽光に含まれる紫外線は、塗料の原子の結合を破壊する性質を持っているからです。

 

また、紫外線により外壁の劣化現象の一つであるチョーキング現象が起こります。チョーキング現象が起こると、外壁の塗装面に紫外線が当たり続けることにより、合成樹脂が次第に分解されて、白い粉が吹いた状態になるため、メンテナンスを検討しましょう。

 

雨や風

外壁は、雨や風により日々ダメージを受けています。新築してから年月が経つと、外壁材の種類にかかわらず劣化症状が現れます。

 

特に、台風や暴風が起こると砂や土などが飛来して外壁に当たることもあり、劣化が進んでしまいます。

 

また、塗り壁である漆喰やモルタル壁では、ひび割れや剥がれが起こってしまうことも少なくありません。これは太陽光により塗膜が劣化し、外壁材の内部に水分が入り込んでしまうことが原因です。

 

水分は外壁の内部で膨張と収縮を繰り返し、ひび割れの現象を起こすこともあるため、注意が必要です。

湿気

外壁の劣化の原因の一つには、湿気も考えられます。外壁は太陽光の紫外線の影響で、徐々に塗膜が劣化し、防水機能が失われてしまうことがあります。

 

防水性が衰えてしまうと湿気を帯びるため、建物の周辺環境によっては湿気でカビや苔が発生してしまいます。

 

外壁材にうっすらと緑色の汚れがついている場合は苔が、こすっただけでは落ちない黒い斑点のような汚れがついている場合はカビが付着しているかもしれません。

 

特に北側など日当たりの悪い場所や風通しの悪い場所では、湿気による影響が出やすいため注意が必要です。

経年劣化

外壁の劣化原因には、経年によるものも考えられます。外壁は、塗装した塗料ごとに耐用年数があります。

 

外壁塗装に使われる塗料の耐用年数とは、主に撥水性の効果が持続する期間を表しています。7年・10年・15年などが一般的です。

 

15年以上前に施工された外壁材の多くは、安価なウレタン塗料で塗られていると考えて良いでしょう。防水性能が失われると、雨水が侵入して劣化が進んでしまいます。

施工不良

外壁の劣化原因には施工不良も考えられます。新築や塗装工事から1年以内に不具合が起こった場合は、施工不良を疑っても良いかもしれません。

 

たとえば、塗料と下地の相性が悪いと塗料が密着せず、施工してすぐに塗膜の浮きや剥がれが起こってしまいます。原因としては、塗装業者の知識不足や不手際などが考えられます。

 

浮きや剥がれの施工不良が起こると防水性能が失われてしまうため、早めに修理する必要があります。

外壁塗装の劣化の種類

外壁塗装の劣化には、いくつかの種類があり、劣化現象ごとに対応方法が異なります。ここでは、代表的な劣化の種類を紹介していきます。

ヘアークラック

外壁の劣化の一つにヘアークラックがあります。ヘアークラックとは、髪の毛のように細いひび割れのことを指します。細さの目安は、幅0.3mm未満、深さ4mm以下です。

 

外壁の表面がひび割れている状態で建物の構造体にまで影響を及ぼしているとは考えにくいため、ひとまずは経過観察で問題ありません。

 

ただし、モルタルなど塗り壁材の場合はヘアークラックから水分が入り込み、膨張と伸縮を繰り返すことでひび割れが大きくなることもあります。定期的な観察は続けていきましょう。

乾燥クラック

外壁塗装の劣化には乾燥クラックもあります。乾燥クラックは、モルタルなど湿式工法の塗り壁の表面に表れるひび割れで、緊急性の高いひび割れではありません。

 

乾燥クラックは外壁塗装の乾燥の過程で、表面の塗膜が素地の収縮についていけなかったときに起こります。一般的には、外壁の素地の乾燥が落ち着けば、それ以上範囲が広がることはありません。

 

建物の構造に影響することもないため、対処する必要はないと考えておきましょう。ただし、ひび割れている見た目を直したいなど、美観上の問題が気になる方は塗り直しを検討すると良いかもしれません。

チョーキング現象(白亜化現象)

外壁塗装の劣化現象として有名なものにチョーキング現象があります。チョーキング現象とは太陽光の紫外線により、塗膜が劣化して粉状の白い粉が吹いたような状態になることです。白亜化現象とも呼ばれます。

 

チョーキング現象が起こった外壁は、塗膜の防水機能が働いていない状態です。水をかけても粉を落とすことはできず、解決には至りません。

 

放っておくとひび割れなど他の劣化症状に繋がる恐れもあるため、早めの対処が必要です。チョーキング現象は、塗替え工事を行うサインだと考えましょう。

エフロレッセンス(白華現象)

エフロレッセンスとは、外壁の表面に消石灰が現れる現象です。主に、打ち放しのコンクリートやタイルの壁にみられます。エフロレッセンスが起こると、水酸化カルシウムが溶け出して、外壁の表面から流出して白い汚れがついたように見えます。

 

湿度の変化が置きやすい南側に生じやすい現象で、気温の低い冬に進行しやすい現象です。構造体に影響を及ぼす劣化現象ではないため、緊急性はありません。ただし、美観性が気になる方は、洗浄や塗装を行うことも検討しましょう。

塗装の膨れや剥がれ

 外壁塗装の劣化の種類には、塗装の膨れや剥がれがあります。塗装の塗膜が丸いドーム状に膨れた状態になり、やがて割れて塗膜が剥がれてしまう現象です。

 

塗料が外壁にしっかりと密着していないと内側に空気が入り込み、膨れが起こります。一般的には、耐久年数が短い塗料ほど早く剥がれが起きてしまうため注意が必要です。

 

剥がれた部分は紫外線や雨風から外壁を守る性能が失われているため、早めに対処することをおすすめします。

 >>外壁塗装の剥がれについて詳しく確認する


カビやコケ

外壁塗装の劣化現象の一つに、カビやコケがあります。住宅の周りの湿気や不純物が付着して起こる菌類の繁殖です。

 

カビやコケは、外壁の塗装の劣化によって防水性が落ちてしまうと発生しやすくなってしまいます。また、カビやコケがついていると築年数があまり経っていなくても古ぼけた印象を与え、住宅の美観を損ねてしまいます。

 

放置するとカビやコケを家族が吸い込んでしまい、健康被害が起こる可能性も捨てきれません。気づき次第早めに対処することをおすすめします。

 >>外壁のコケについて詳しく確認する

サビ

外壁塗装の劣化にはサビも考えられます。外壁につく錆には、もらいサビと金属系の外壁そのものが劣化して発生するサビの2種類があります。

 

もらいサビとは、窯業系サイディングやモルタルなど金属以外の壁に窓サッシや雨樋、金属製の屋根、手すりなどから発生したサビがつく状態のことです。

 

部分的なサビであれば、見た目が気にならない限り様子をみていても問題ありません。しかし、金属系のサビは発生原因を食い止めなければ広がってしまいます。壁全体にサビが広がってしまった場合や、進行したサビ汚れであれば、早めの対策をおすすめします。

色あせ・変色

外壁の劣化現象には、色あせや変色があります。色あせは汚れとは違うため、掃除をしても取り除くことはできません。

 

新築や塗装から10年以上経過していると色あせや変色が起きやすくなります。色あせが起こると外壁が古ぼけた印象になり、美観が損なわれてしまいます。

 

一般的に、赤・黄・緑は色あせしやすい色と言われています。反対に、白・黒・青は、比較的色あせが起こりにくい色です。

 

また、色あせが起こりにくい機能を持つ塗料もあります。ラジカル制御型の塗料という、紫外線に強い塗料であれば比較的色あせが起こりにくいため、塗り替えの際は検討してみてください。

 

>>外壁塗装の色褪せについて詳しく確認する

 

外壁塗装の劣化に対する対処法

住宅の外壁に劣化が見られた場合には外壁の状況にあわせて、補修や洗浄、外壁塗装を行うことが大切です。ここでは外壁塗装の劣化の対処法を詳しく解説していきます。

部分的に補修する

外壁にひび割れなどが起こってしまった場合は、雨水の侵入を防ぐためにも補修のメンテナンスが欠かせません。外壁を部分的に補修するには自分で行う場合と業者に依頼する場合の二通りが考えられます。

自分で行う場合

ひび割れが軽微なヘアークラックだった場合、応急処置として、外壁の部分補修を行うこともできます。モルタルや漆喰など、湿式の外壁のケースです。セメント粉をひび割れ部分に塗っていき、ひび割れを補修していきます。

 

セメント粉による補修には、チョーク式とスプレー式の2つの補修方法があります。以下に、手順を紹介します。

 

【チョーク式】

  1. 指でひび割れ部分に水を散布する
  2. チョーク型のセメント粉を刷り込む
  3. 1,2の作業を10cmごとに繰り返す
  4. 最後に指で押さえる

 

チョーク式はひび割れ部分をピンポイントに補修するため、コンクリート粉を無駄なく使える方法です。指で押さえていくため力が必要で、施工や乾燥にも時間がかかります。

 

【スプレー式】

  1. 外壁に水を散布する
  2. セメントスプレーを散布する
  3. スポンジでならす

 

スプレー式は、ひび割れ部分よりも広範囲にセメントの水溶液が飛散するため、無駄は出てしまいますが手軽に使えるのが魅力です。

業者に依頼する場合

自分で補修するのが難しいと思ったら、業者に依頼する方法がおすすめです。塗装業者に依頼すると、ひび割れ、塗装の膨れ、サビなど、さまざまな劣化現象を補修してもらえます。

 

たとえば、ひび割れのセメント補修は1㎡あたり1,500円〜2,000円が目安の費用です。

 

また、サイディングボードやALC外壁のひび割れや剥がれは、コーキングを撤去したあとにコーキングを上から塗り直す作業が発生します。コーキングを打ち替える場合は、1㎡あたり650円〜1,200円と考えておきましょう。

 

鉄や金属部分にサビが発生した場合は、ケレン補修という削る作業が発生します。ケレン

補修は、1㎡あたり200円~2,000円が費用の目安です。

洗浄

外壁の汚れの中でも、範囲が狭いカビやコケなら自分で洗浄することも可能です。

 

ただし、汚れがついている場所が高所である場合や、外壁全体が汚れている場合は、専門業者に依頼した方が確実かつ安全です。プロの業者は高圧洗浄で外壁からカビやコケの洗浄を行います。

 

費用の目安は水道代が12,000円、足場が必要ない場合で1㎡あたり100円~300円、足場が必要な場合は、1㎡あたり450円~850円が目安です。

外壁塗装を行う

劣化現象で、チョーキング現象、ひび割れ、剥がれ、色あせが起こっており、部分補修では対処しきれず、壁全面に劣化の症状が広がっている場合などは、外壁塗装をおすすめします。外壁塗装は住宅の美観を保つだけでなく、雨風による衝撃や紫外線から建物を守るためにも必要です。

 

選ぶ塗料によっても異なりますが、費用の目安は35坪程度の一軒家で80万円~150万円と考えておきましょう。

 

外壁塗装を行うと、住宅の印象をガラリと変えられるのもメリットです。また、早めに補修をしておくことで劣化の進行を防げます。

 

耐用年数は塗料によって異なりますが、10年ごとに外壁塗装工事を行うのが目安と考えておきましょう。

 

外壁塗装の劣化は放置せず早めに業者に相談しよう

外壁塗装は太陽光や雨風などの影響で、しだいに劣化症状が現れます。外壁の劣化を放置してしまうと、結果的には住宅の寿命が短くなってしまいかねません。

 

劣化の症状ごとに部分補修や洗浄、外壁塗装など、適切に対処していくことが重要です。ただ、自分で外壁の劣化症状を判断するのはなかなか難しいものです。自分の家の外壁の補修すべきタイミングが分からないときには、プロに相談してみましょう。

 

豊富な経験を持つ塗装業者なら、劣化の進行段階によって適切な対応が行えます。

 
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