外壁塗装の吹き付けのメリット・デメリットは?種類やローラーとの違いを比較!
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カテゴリー:外壁塗装の塗料
外壁の表面にある模様は、下地のサイディングボード次第と思われがちですが、それだけではありません。サイディングが登場する以前は、スプレーガンによる「吹き付け」で模様をつけていました。吹き付けによる仕上がりは味わい深いもので、普通の外壁塗装に飽きてしまった方におすすめです。
外壁の塗装方法はローラーや手塗りなどが一般的ですが、ここではスプレーガンを用いる吹き付けについて取り上げていきます。メリットやデメリット、仕上げのバリエーションなどを把握しておきましょう。
外壁塗装の吹き付け工法のメリット・デメリット
サイディングが一般化する前は外壁塗装の仕上げといえば、スプレーガンを用いた吹き付けでした。サイディングの普及によってすっかり見かけなくなった、吹き付け工法のメリットやデメリットについて考えていきましょう。
外壁塗装の吹き付け工法:メリット
多様な仕上がりが可能なことや均一で美しく仕上がること、施工箇所によっては工期を短縮できることが吹き付け工法のメリットです。
中でも吹き付け塗装ならではの多様な仕上がりには、ぜひ注目したいところといえるでしょう。
メリット①多様な仕上がりが可能
複雑な模様をつけられる、重厚感や高級感、凹凸による立体感を与えられるなど、仕上がりのバリエーションが豊富です。
これらは熟練した職人さんの手作業によるもので全て同じに見えますが、それぞれの表情が微妙に異なります。手作業ならではの味わい深さも吹き付け工法のメリットです。
実際の施工はすっかり少なくなったとはいえ、吹き付け工法による複雑な模様は今でも好まれています。モルタル外壁に行われるだけでなく、サイディングでも吹き付け工法を選ぶケースもあります。
メリット②仕上がりがきれい
スプレーガンを用いて塗料を吹き付けていることから、仕上がりが均一できれいになるのも吹き付け工法のメリットです。
外壁塗装の主流は現在、ローラーやハケを用いた手塗りが一般的になりましたが、この方法では熟練した職人さんでなければムラになりやすいものです。どうしても残ってしまう「ハケあと」が気になるという方もいるでしょう。
吹き付け工法ならば、手塗りでありがちなムラは出にくく、きれいな仕上がりになります。
メリット③施工にかかる時間が短い
吹き付け工法が得意としているのは、広範囲の塗装です。細かい箇所を塗っていくのは得意ではありませんが、広い箇所を均一に仕上げるならスプレーガンのほうが施工期間を短くできます。
一般の住宅ではもっぱら手塗りが選ばれますが、これは塗装範囲が限られており、吹き付け工法を用いても工期の差は小さいと考えられるからです。
塗装範囲が広くなるほど、吹き付けによるメリットは大きくなり、工場や倉庫などの多くは、スプレーガンによる吹き付けで仕上げられます。
外壁塗装の吹き付け工法:デメリット
メリットばかりの吹き付け工法なのに、行われなくなった理由は、下地に模様があるサイディングの普及によるものです。それにともないデメリットが目立つようになったため、検討している人はマイナスの面も把握しておきましょう。
デメリット①養生に手間と時間がかかる
大量の塗料をスプレーガンで飛ばすのが吹き付け工法です。そのため、思わぬところに塗料が付いてしまう可能性があります。
そこで必要になるのが養生です。吹き付け工法で塗装する場合、養生は念入りに行う必要があり、手間と時間がかかってしまいます。
吹き付け工法は塗料が飛び散りがちで、風の強い日は施工できないのもデメリットです。
デメリット②塗料の無駄が多い
吹き付け工法には、大量の塗料が無駄になってしまうというデメリットがあります。吹き付け工法で必要になる塗料は、手塗りと比べると2〜3割増しになってしまい、その分材料費が高額です。
とはいえ材料費が高額になる以上に施工期間が短くなり、人件費を抑えられるため、広範囲の塗装では吹き付け工法が選ばれることが多いです。
デメリット③塗料の飛散や騒音により近所迷惑になる可能性
場合によっては塗料の飛散は、近隣住宅にまでおよんでしまうかもしれません。
また吹き付け工法に必要になるのがエアーコンプレッサやプランジャ、空気や塗料を圧縮するものですが、いずれも大きな音が出てしまいます。
トラブルの原因になりかねないというのは、吹き付け工法の大きなデメリットです。家同士の間隔が狭い現代では、なおさらです。
外壁塗装の吹き付け工法の種類
塗装した表面にあらわれる模様のバリエーションの豊富さが、吹き付け工法の魅力です。お気に入りのものが見つかったなら、外壁塗装に取り入れることを検討してみましょう。
吹き付け工法1:リシン
塗料に砕いた石を含ませることで、表面に凹凸を付けていきます。モルタルの外壁が一般的だったころによく見られたことから、ザラザラとした仕上がりには馴染みがある方も多いでしょう。
含ませる石の細かさによって、表情を変化させることができバリエーションも豊富、それでいてかかるコストもそれほどでもありません。
デメリットは耐久性がやや低く、細かなヒビ(クラック)が入りやすいことです。作られる塗膜が薄いので、耐久性は8年くらいになります。
吹き付け工法2:リシン掻き落とし
リシン掻き落としとは、リシン仕上げを行った後に、表面をブラシなどで削っていく方法です。塗料に含まれている砕いた石の質感が、よりはっきりと出るようになります。似た表情のものはサイディングにもありますが、本物の風合いにはかないません。
細かな石を用いたリシンなら上品になり、荒い石を用いたならざっくりと仕上がります。掻き落とす度合によっても表情にバリエーションをつけられます。
デメリットは掻き落とすことで塗膜が薄くなってしまい、耐水性や耐久性にやや難があることです。
吹き付け工法3:スタッコ
リシンを5~10mmの厚塗りで仕上げたものはスタッコと呼ばれます。リシンより深い陰影が得られるため、豊かな表情や高級感、重厚感を期待される方におすすめです。
メリットは塗膜が非常に厚く高い耐久性を持っていることです。10年程度メンテナンスは不要になります。
デメリットはコストがかかることと凹部に汚れがたまりやすいことです。
吹き付け工法4:吹き付けタイル
吹き付けタイルは、「ボンタイル」と呼ばれることもある仕上げです。粘土のような下地材を塗った後に凹凸の模様を付け、最後に塗装を行って仕上げます。
下地材が乾く前に、凸部にローラーを当てることで、また別の表情が生まれます。この仕上げをまねたサイディングは、多くの方が目にしたことがあることでしょう。
耐久性は仕上げに用いた塗料に左右されてしまいます。塗膜に劣化が見られたら、他の外壁材と同様に、上から塗料を用いることでメンテナンスを行います。
吹き付け工法5:スキン
大理石などを細かく砕いて、表面に吹き付けていく仕上げです。使われる塗料の量はリシンより少なくなり、まるでセラミック製のタイルを貼ったような見た目になりますが、細かな石同士を接着しているのは塗料です。
用いる石の種類によって様々な表情を作ることができるほか、乾燥する前に凸部を押さえつけることで、また別の表情も楽しめます。
耐久性は10年程度といわれていますが、表面のざらつきや水分を含みやすいことから、苔が生えやすいデメリットがあります。
外壁塗装の吹き付けとローラーの違いを比較!
ローラーによる塗装は、紹介した吹き付け塗装より現在は一般的に行われる方法です。特に要望しない限り、外壁塗装はローラーで行われます。ここからはローラーと吹き付けとの違いについてみていきましょう。
吹き付けとローラーの違い:塗料の飛散
狙ったところ以外にも塗料が飛び散りやすい吹き付けと異なり、ローラーはそれ自体の幅でしか塗ることができません。
ローラーには養生する範囲が狭くてすむメリットがあり、用意する塗料は塗装面積だけで十分のため、材料費だけなら安くつくことになるでしょう。
またローラーなら風で塗料が飛び散る心配もありません。ご近所からクレームがつくこともなく、風の強い日にも問題なく施工できるのもメリットです。
吹き付けとローラーの違い:施工時間
一度に広い範囲を塗ることができる吹き付けは、限られた箇所しか塗装できないローラーより施工時間が短くなります。一戸建ての外壁くらいの面積ならそれほど差は出ませんが、塗る範囲が広くなるほど差は大きくなっていくもの、その差は人件費の差となってあらわれます。
ただし吹き付けには、上でみたとおり養生する箇所が広くなるというデメリットがあります。デメリットとメリットを比較した結果、近年では希望しない限り、家の外壁塗装に吹き付けが用いられることはありません。
吹き付けとローラーの違い:仕上がり
広い箇所をただ塗るだけでなく、上でみた通りバリエーション豊富な仕上がりが望めるのは吹き付けならではのメリットです。細かく砕いた石入りの塗料を用いることは、ローラーではできません。
ローラーは、仕上がりに表情をつける塗装には向いていません。またローラーには一定の幅があることから、幅以下の箇所を用いるのも得意ではありません。細かな部分を塗っていくにはハケを使用することになります。
外壁塗装にこだわりがある場合は吹き付けもおすすめ
外壁をただ塗るだけでは面白くないと思っている方におすすめしたいのが、吹き付けによる塗装です。砕いた石を塗料に混ぜることで、通常の外壁塗装に用いられるローラーよりも、豊かな表情を持つ仕上がりになります。
吹き付け塗装はモルタル外壁だけのものではありません。サイディングでも可能な場合は多いので、ぜひ塗装業者に相談してみてください。
個性的な仕上がりをお望みなら「多彩色吹き付け」もおすすめです。くわしくは以下のリンクを参照してください。
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